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しばらくずっと泣き続けていたAは、急にキリッと顔を上げて、俺を睨みつけてきた。

「今日は帰らない。」

その程度じゃ、俺は動かないけどね。

もっと心から訴えてくれないと。

「だから、今すぐ高速から降りて。」

そんな涙目で睨みつけられても、可愛いだけなんですけど?

そうやって命令すれば、俺が言うことを聞いてくれると思ってんだろ?

甘くない?

でも、そういう風に躾けてしまったのは俺なんだけど。









「たいちゃんなんか嫌い。」

そう来たか。

天邪鬼攻撃。

嫌いって言えば、俺が怯むとでも思ってた?

「嫌いでいいよ。」

そう返せば、不満げにAは顔を上げる。

「俺、素直な子が好きなんだよね。
自分の気持ちを正直に話してくれる子。
今のAはどうなんだろうね。
俺のことが嫌いっていうのが本心なら、仕方ないけど。」

ピタリとAの動きが止まる。

俺に好かれたいなら早く、「帰りたくない」って涙目でお願いすればいいのに。

じゃないと、もっと攻撃しちゃうかもね。









「じゃあ…、たいちゃんは私のことなんか嫌いなんじゃない?」

…あーあ。

もうそろそろタイムリミット。

「じゃあ別れる?
俺らもう、合わないみたいだし。」

本当はこんな試すようなことは言いたくなかったけど。

Aはどんな我儘を言っても、俺が許すと思ってんだろ。

俺が絶対Aのことを嫌いになんかなるはずないって、高を括ってるんだろ。

「じゃあもう、ここで別れる?
Aは車の免許も持ってるし、運転して帰れるよね。」

どんどん酷い言葉が口から零れ出てくる。

本当はそんなことするつもりなんて、さらさらないのに。

Aを傷つけたくなる自分が抑えきれなくて、どうにかなりそう。

車のエンジンを切れば、ようやくAは俺のシャツの袖口を掴んだ。








「…別れない。」

聞き取れないくらいの声で、Aは呟く。

勢いが止まらない俺は、そんなAの手を外して車外へ出ようとするけど、

今度は手首をぎゅっと掴まれてしまった。

「…何?」

自分でも驚くくらい冷たい声が出て、少しだけ我に返る。

昔から怒り始めると止まらなくて、自分でも制御できなくなる。

お願い。

もうこれ以上、刺激しないで。

早く降参してよ。

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設定タグ:キスマイ , Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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りたわかめ(プロフ) - ひツじさん» こんにちは。実はリンクが外れてまして、この話は続きがあって、もう完結しています。リンクを貼り直しておきましたので、また読んでやってください♪ (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ひツじ(プロフ) - 更新待ってます。 (2021年2月28日 23時) (レス) id: 5c2b66150e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 玲さん» 長いこと返信できずに申し訳ないです。しばらく更新できなかったので、ようやくお返事できます♪続きの展開、お気に召していただけたらとてもうれしいです(*'ω'*) (2018年3月3日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 待ってましたー!!!ものすっごく嬉しいです!フランボワーズの藤ヶ谷さんが大好きなのでもう本当嬉しいです。しかもこの続きの展開に期待が(//▽//) (2018年1月2日 10時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年12月21日 23時

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