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旅の2日目、適当に車を走らせながら西へ向かっていく。
温泉街を抜けていく途中、
「貸し切り温泉とか行ってみる?」
そう聞いても、助手席のAは窓の方を向いたまま返事すらしない。
まだ根に持ってんの?
去年の旅行の貸し切り温泉のこと。
シーズンオフだし今日は平日だから空いてるはずなのに、Aは聞こえてないふり。
まあいいけどね、これから温泉街を幾つも通り抜ける予定だから。
チャンスは幾らでもある。
今回は、行先も帰りも定まってない旅だから。
海岸線を走りながら、Aは道の駅で次々とバカみたいにお土産を買っていくから、旅の2日目にして後部座席は荷物だらけになってしまう。
行く先々で見つけた珍しいものを、Aは次々とSNSに上げては悦に入ってる。
2日目の夜の宿は、意外にも普通のビジネスホテルだった。
Aがネットで選んだホテルなんだけど、何故かツインルームだし。
極端じゃね?
昨日の今日で、差がありすぎだろ?
縛られちゃったのがそんなに怖かった?
いいよ、Aがそういうつもりなら、今日は手を出してあげない。
「おやすみ。」
そう言って、片側のベッドに入れば、Aは何か言いたげな顔をして、
でも何も言わずに、空いてるベッドに入って明かりを消した。
1日中運転してるのは意外に疲れるから。
ベッドに入ってすぐに、眠気が襲ってくる。
Aに背中を向けて、そのままウトウトしていたら、
するっと背中側にAが入ってくるのがわかった。
…まあ、こうなることはわかってたけどね。
でも今日は、してやんない。
ツインルームとか取った罰。
「たいちゃん。」
微動だにしない俺を、可愛い声で揺さぶってくる。
そんな可愛い声で、甘いシャンプーの匂いを漂わせてきてもだめ。
これはAに与える試練だから。
「…何?」
わざと冷たい口調でそう言えば、
「一緒に寝よ?」
なんて、可愛らしく聞いてくる。
「だって、ベッド2つあるし。
ベッドも狭いし。
それぞれで寝たらよくない?」
「…よくない。」
よく言うよ。
怖くなって自分からツインルームを選んだくせに。
寝る時になって一緒に寝ろとかさ。
甘えてない?
…まあ、そこまで言うんならって、
その後、美味しくいただきましたけど。
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りたわかめ(プロフ) - ひツじさん» こんにちは。実はリンクが外れてまして、この話は続きがあって、もう完結しています。リンクを貼り直しておきましたので、また読んでやってください♪ (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ひツじ(プロフ) - 更新待ってます。 (2021年2月28日 23時) (レス) id: 5c2b66150e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 玲さん» 長いこと返信できずに申し訳ないです。しばらく更新できなかったので、ようやくお返事できます♪続きの展開、お気に召していただけたらとてもうれしいです(*'ω'*) (2018年3月3日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 待ってましたー!!!ものすっごく嬉しいです!フランボワーズの藤ヶ谷さんが大好きなのでもう本当嬉しいです。しかもこの続きの展開に期待が(//▽//) (2018年1月2日 10時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年12月21日 23時