溺愛フランボワーズ chapter 5

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「わざとラブホを選んだんだろ。」

意地悪な言葉をわざわざ選べば、Aは俺の腕の中でぷるぷると首を横に振る。

「どうする？
すぐにお風呂に入る？
それともしちゃう？」

そう聞いてんのに返事が全く返ってこないから、そのままベッドに連れ込んだ。

ちょっと固めのベッドは、動くたびにギシギシうるさくて。

それが逆に煽られる感じで、夢と現実の世界を交互に行き来してるような気分になる。









最近のAの気に入らないところは、こうやってベッドに連れ込んだ途端、

私そんなつもりじゃなかったんだけど？みたいな顔をして、スカしてくるところ。

今だって、

「ちょっと待って。」

とか言いながら、もうベッドに押し倒されてるくせに、俺の肩を力なく押してくる。

「着いて早々とかやだ。」

って、どの口が言ってるわけ？

自分からラブホに誘っておいて。

今夜はなんだか腹が立ったから、ベッド脇に置いてあったバスローブの紐でAの両手首を拘束してみた。

最初は冗談のつもりだったのに、Aがあまりに怯えた顔をするから。

それがあまりに可愛くて、もっと怖がらせたくなった。

縛った手首を俺の首に通して、

「今日はずっとこのままにしといて。」

そう言って緩く微笑めば、Aは怖いのか瞳を潤ませる。

…知ってた？

俺、Aのそういう目が一番好きなんだよね。









最近の俺達は少しだけ、刺激が足りなかったのかもしれない。

新鮮味がなくなった、っていうか。

四六時中一緒にいるし、いつでも出来るし。

多分この先、２人でこんなに長い旅は行けないような気がするから。

この旅の間は、Aを思いっきり甘やかしてあげたいって思ってる。

だけど、ベッドの上だけは別。

絶対に甘やかしてやんない。

怯えた目をしたって駄目。

その代わり、とりあえず一回。

俺を死ぬほど満足させてくれたら、

その後は、優しくしてあげてもいいけど。


 

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