溺愛フランボワーズ chapter 5

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バスを降りてもまだ俺をからかってくるAを無視して、

無言で手を引いて裏通りのラブホに連れ込んだのは、ちょうどお昼を過ぎた頃。

Aは怖がると思ってたけど、久しぶりのラブホに大はしゃぎ。

「たいちゃんって大胆だね。」

なんて言いながら、もうベッドの上に乗って俺に向かって両手を広げてくる。

「…何が？」

Aの腕に捕まりに行くために、ベッドに乗りに行く時点で、

もう俺は主導権を奪われてるようなもんか。









「だってうちの実家に挨拶に行った帰りに、そのままラブホに連れ込むとか。
大胆じゃん。」

俺からしてみたら、Aの方がかなり大胆だけどね。

実家で俺が寝てる布団に忍び込んで来たり、こうしてラブホのベッドの上で無防備に俺に抱きついてきたり。

これから俺に、どんなことされるかわかって言ってる？

生意気なAの唇を塞ぐようにキスすれば、ほら、すぐにおとなしくなるくせに。

今日はゆっくり優しくとかしてやるつもりは、さらさらないし。

昨日の夜、布団に忍び込んで来てさんざん誘惑した罰だから。









そのままけっこう雑に押し倒せば、Aは途端に不満げな顔をする。

「こういうのやだ。」

とか、我儘を言ってくるけど無視。

Aがどんな風に抱かれたいかとかっていうのは、ちゃんとわかってる。

でも、そんな不満げな顔をしたAですら、俺にとってはそそれらるんだからもう仕方なくない？

さっきみたいに強引なキスをすれば、すぐに夢中になっちゃうくせに。

さっきからずっと、俺の背中にしがみつくようにしてるAは、

唇を離したら、すぐに寂しそうな、それでいて物足りない顔をする。








最近のAは、俺にされるがままじゃなくて、自分からも仕掛けてくるようになってきた。

今だってほら、俺の唇が欲しくなって自分から押し当ててきてる。

いつからこんな、ふしだらな子になったんだっけ？

でも俺を欲しがるAも可愛くて仕方ないから、それには答えてあげるけどね。

でもここから先は、俺に任せて。

この先Aが、俺に仕掛けてこれないくらいにしてあげるから。

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