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その夜、珍しく二階堂くんは、居酒屋のバイトで覚えたっていう料理を作ってくれて、2人で家飲みをすることになった。

付き合って初めて2人で飲むから、二階堂くんは一体どんな酔い方をするんだろうって、

そう思ったら楽しみで仕方なくなって、わざと飲ませ過ぎてしまった。

私の予想では、酔った二階堂くんはテンションが高くなって喋り倒すんじゃないかと思ってたのに、実際の二階堂くんは真逆だった。

顔が赤くなっていくごとに、むっつりと黙り込んでしまう。

やたらと口数が少なくなり、それでも無理に話しかけたら、意外に弱気でネガティブな言葉が返ってくる。









「…ありがとう、ついて来てくれて。
Aがいなかったら俺、ずっと親から逃げてたかも。」

なんて、ニコリともせずに。

感謝の気持ちを述べてるんだから、もうちょっと笑えばいいのに。

むっつりと難しい顔をして。

そっか、二階堂くんは酔うと寡黙になるタイプなんだ。

それきりまた、黙り込んでしまう二階堂くんの隣に、わざとピタリと体をくっつけて座ってみる。

その腕にしがみつくように自分の両腕を絡ませれば、ほんの少しだけ、二階堂くんは嬉しそうに微笑んだ。

「やめろって。
重いじゃん。」

やめろって顔してないじゃん。

微妙にニヤけちゃってるよ?









だけどしばらくしたら、またさっきの難しい顔に戻ってしまう。

「あーあ…。
俺、一体何がしたんいだろ。」

って、ため息混じりに。

「就活のこと?」

「そう。
別にやりたい職業があるってわけじゃないし。
ただ、旅館を継ぎたくないだけで。」

「ちゃんと聞いたことなかったんだけど、何で継ぎたくないの?」

「…なんか、旅館が嫌ってわけじゃなくて。
親の敷いたレールを生きるのが嫌なだけ。」

…まあ、わからないでもないけど。

来月から就活が始まるっていうのに、この段階でこんなことを言ってるのは、非常にヤバい状況なんだけど。









「Aはこっちの公務員試験も受けるって言ってるけどさ。
もし落ちて、地元の公務員試験に受かったらどうするわけ?」

「そりゃあ…、地元の方に行くけど。」

「それってさ…、意味なくない?
俺ら、結局離れちゃうことになるじゃん。」

ってほら、そんな捨てられた子猫のような寂しげな目で見つめないでよ。

そんな目で見られたら、連れて帰りたくなっちゃうじゃん。

…って、二階堂くんはもう、ほぼこの部屋に住みついてるようなもんだけど。

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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