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「何でいるの?」

そう言ってやろうかと思ってた。

だけど二階堂くんの顔を見たら、急に怖くなって、そのまま無言で横をすり抜けた。

何でいるの?

LINE読んだんじゃないの?

そんな思考がぐるぐると頭を巡って、衝動的にいつもと違う道へ曲がってみた。

曲がり際にチラリと確認したら、二階堂くんはついてきてる。

そのまま道沿いのコンビニに入れば、やっぱり二階堂くんも入ってくる。









何も買わずに店を出れば、

「A、何がしたいわけ?」

相変わらず不機嫌気味な二階堂くんが、前に立ちはだかる。

「二階堂くんから逃げてるだけ。」

「そんなに俺といるの嫌?」

「嫌。」

そう言い切ったら、二階堂くんは傷付いたような表情になって、そのまま顔を伏せた。

「俺は、Aから離れたくないから。」

「私は離れたい。」

「だから何で?」

また、二階堂くんの腕が私の手首を掴む。

深夜のコンビニの前で、私達は何をやってるんだろう。









「Aといたい。」

そう訴えてくる二階堂くんの目は、切なそうで可愛らしくて、私は胸が苦しくなる。

ただの駄々っ子じゃん。

自分の欲求だけを、人に押し付けて。

私の気持ちなんかお構いなし?

「私と元の関係に戻りたいなら、しばらくそっとしておいてくれないかな。
私が他に好きな人ができるまで。」

だけど、

「Aに好きなヤツが出来るとか、無理…なんだけど。」

最初はキッパリと、だけど語尾になると気弱にそう言ってきた二階堂くんは、そのまま掴んでた私の手首を引き寄せた。

簡単に二階堂くんの胸の中に入る体。

二階堂くんの体温が思ってた以上に熱くて、その熱さに一瞬だけ眩暈がした。

…やっぱり私は、二階堂くんが好きだ。

普段、やんちゃで幼稚で私を困らせるくせに、たまにこうやって男の部分を見せてくる。

そのギャップに私は弱いんだった。









「Aが好き。
Aが他のヤツを好きになるなんて、絶対嫌。」

ゆっくりと噛み締めるようにそう告げると、二階堂くんは私の肩先にちょこんと顎を乗せる。

…熱いな。

もう茹で上がりそうなくらいに熱い、二階堂くんの体。

きっと、二階堂くんは本気なんだ。

そう思ったら嬉しくなったけど、半分くらいはまだ不安で仕方なかった。

だから、

「それって、どういう種類の好き?」

疑り深い私は、そんなことを言って二階堂くんを困らせてみたくなる。

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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