13 ページ13
「そうじゃないけどさ…。」
「俺はあの子のこと好きじゃないし。」
「でも、その断り方って、翠ちゃんが嫌なんじゃなくて、
二階堂くんが彼女が欲しくないから、今は無理って断り方でしょ?」
そう言えば、二階堂くんは言葉を詰まらせる。
ほら、そんなこと予想もせずに断ってたでしょ?
「じゃあ、あの子はまだ俺のこと諦めてないってこと?」
「そういうことになるね。」
「マジか…。」
二階堂くんは長いため息をつくと、ぐったりとベッドに横たわった。
「女の子って、何であんなに面倒くさいわけ?」
瞼を閉じて怠そうに話す二階堂くんは、今日も弟感満載。
パーカーの前をだらしなく開けて、中に着ているTシャツもめくれてる。
「おへそ出てるよ。」
Tシャツを元に戻してあげようとした手を、不意にやんわりと掴まれた。
二階堂くんの手のひらはすべすべしてて、少しごつごつした、意外にも男の手だった。
「A、ちゃんと言っとかないといけないことがある。」
ちょっと固い声でそう告げると、二階堂くんはゆっくりと体を起こした。
掴んだ手はそのままで。
「今日、病院に行ってきた。」
「…うん。」
繋がれてるその手がやたらと熱くて、そっちの方が気になって、二階堂くんの話はあまり入ってこない。
「もう普段通りの生活に戻っていいって。」
「うん。」
熱いな、二階堂くんの手のひら。
熱くて大きくて、なんだか心地いい。
この手がずっと、私のためだけに動いてくれたら、
とか、よからぬ事も考えてしまう。
「だから、明日で戻るわ。
自分の部屋に。」
そう言われて、ようやく二階堂くんの顔を見た。
困ったような作り笑いで、じっと私を見てる。
もしかして、待ってる?
私が「もう少しここにいれば?」って言うのを、待ってるような顔をしてるよ?
「電気やガスは?
もう復旧したの?」
「親が…、払ってくれたみたい。」
そっか…。
それならもう、二階堂くんがこの部屋にいる理由はなくなったよね。
私が引き止める理由も。
あのね…、毎日楽しかったんだ。
灯りがついてて暖かい、この部屋に帰ってくるのが。
毎晩の、ウザいくらいのおしゃべりも。
でも私達は友達だから。
親友に近い関係だけど、そこには恋愛感情はないから。
ここは、笑って送り出すべきだよね。
984人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時