アンリーシュコントロール (ページ23)

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「今日誘ったのはさ、

Aちゃんと話がしたかったから。」

マグカップの中のカフェオレがあと一口で無くなりそうになったとき、大我さんが真面目な顔をして話し始めた。

「初めはね、暗い子なのかなって思ってた。
人に興味無さそうだなーって。

ほんと、それだけ。」

「でも、話してみたらよく笑うし、楽しいし、一緒にいたら落ち着くし。」

「ね？」と不意に目線を合わせてくる大我さんの仕草にドキッとする。

どんな顔をして聞いていたらいいのか分からなくて、残りのカフェオレを飲み干した。

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「俺ならAちゃんに辛い思いさせたりしないのにって、思っちゃったんだよね。」

その言葉に、ある人の姿が頭をよぎる。

大我さんは全て分かっているのだろうか。

私が抱えているもの全て。

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『でも、私』
「いいよ。」

「Aちゃんの中に誰がいても。」

真っ直ぐに私を見据えて微笑む彼。

この人になら身を委ねてもいいかもしれないと心のどこかで思う自分がいた。

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今日だって、北斗との約束ならどんな感じだったのかな。

待ち合わせ場所に着いたとき、「今来たところ。」なんて笑ってくれただろうか。
「かわいい。」と褒めてくれただろうか。

優しく手を繋いでくれただろうか。

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こんなときまで北斗のことを考えてしまう私は、一体何がしたいんだろう。