アンリーシュコントロール (ページ22)

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『…お待たせしてごめんなさい！』

「ううん、俺も今来たところ。

行こっか。」

不意に絡められた手に体温が上がるのを感じる。

「今日はデートだからね。」

“デート”という単語がなんとなく気恥ずかしくて、大我さんの手をぎゅっと握り返した。

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『気になってるって…』

「うん、まあそういうことだから。
今週の土曜日空いてたりする？」

照れるような素振りも見せず淡々と話す姿に頭が混乱する。

『特に予定はないですけど、』
「じゃあ2人で出かけよ！決まり！」

大我さんのペースに呑まれるまま、気づいたらそんな約束が取りつけられていた。

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「なんかいつもと雰囲気違うね。」

『せっかくのデートなので、いつもよりお洒落してきました。』

メイクは女の子らしくピンク系で揃えて、普段はあまり巻かない髪も今日は緩く巻いた。
ワンピースのスカートがひらひらと揺れるたびに、少し気合いを入れすぎたかなと不安になる。

自分だけが意識しているみたいで悔しかったから
あえて“デート”という言葉を強調してみたけれど、

「かわいい。」

大我さんには敵わないみたいだ。

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『ヒロインが死んじゃうのは予想外でした。』

「…なんならまだ受け入れられてないかも。」

お互いに観たいと思っていた映画を一緒に観て、感想を話しつつ近くのカフェに入った。

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テーブルの上には温かいカフェオレが2つ。

「この前も2人で飲んだよね。」

『大我さんが入れてくれた方が美味しかったですけどね？』

店員さんに聞こえないように小声で囁く。

「こら。」って怒ったふりで嬉しそうに笑う大我さん。

そんなやりとりが心地よくて、
胸の中にあったモヤモヤしたものが
その瞬間だけはどこかへ溶けていくようだった。