アンリーシュコントロール (ページ13)

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私のことをじっと見つめる目はまだ虚ろで、その姿はいつもより幾分か幼く見えた。

｢これ、夢…？｣

当然状況が飲み込めていない大我さんに事情を伝える。

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結論から言うと、
資料をレポートに使うのは本当だけど、急ぎの用事ではないらしい。

つまり、“今日” “私が” 届ける必要はなかったのだ。

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｢なーんか変なこと考えてんね、樹のやつ。｣

『全くです。』

お互いに照れとおかしさを感じながら、
目を見合せて笑った。

大我さんの笑顔は例えるなら陽だまりで、その場にいるだけで心が温かくなる。

｢中、入る？散らかってるけど。｣

その温度に吸い寄せられるように、気づけば首を縦に振っていた。

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『お邪魔します。』

｢はーい。｣

部屋に入ると、
｢散らかってる｣なんてどういうつもりで言ったのかと思うほどに整頓されていて、
その空間からなんとなく人間性がうかがえるような気がした。

白で統一されたインテリアに、甘いフレグランスの香り。

『素敵なおうちですね。』

｢ほんと？嬉しい。｣

｢ちょっと待っててね。｣とキッチンへ向かった彼をソファで待つ。

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しばらくして大我さんが用意してくれたのは、
この部屋によく似合う温かいカフェオレだった。