すべて、まっしろになるから (ページ40)

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望まないからページ40

湧side

それから俺はAに償うようにAのそばにずっといた。

許されないことは分かってる。

けど君が全部、変わっちゃったと嘆くなら今まで通りの関係を続けるのが元に戻すのが俺のできることだと思った。

香織に『変わらないで』と呟いたあとすぐに君は訂正したけどそれがAの心からの叫び。

周りから『ありえない』『都合よすぎる』と散々言われたし、自分でもそう思う。

けどAが笑ってくれるなら生きていたいと思ってくれるならなににも変えられない。

『湧を縛り付けちゃってごめんね。』

君は大きな発作を起こしたあと必ず俺に謝る。

悪いのが全部、俺なのに君は謝ることなんにもしてないのに

俺は一生、君に対する罪悪感は消えない。

湧『何言ってんの笑早く退院してデート行こ？こないだ買ったワンピース着てきてよ。』

でもいつからだろう。

Aの手を握り、握り返してくれる瞬間がこんなに愛しくなったのは。

Aは確かにもう俺の中で1番大事で1番守らなきゃいけない人になって行った。

だから

神様、俺はずっとAに犯した罪を償い続けるからあの子の隣にずっといさせてください。

もうなにも望まないから