闇だけが教えてくれる強い光 (ページ50)

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HIROside

Aと初めて会ったのはAが生後2ヶ月の頃。

Aの母親は身体が弱くAを産んですぐに亡くなった。

《こいつだけは守ってやるんだ。母親はいないけど俺がそんなの感じさせないくらいこいつを幸せにしてやる。》

親友の腕で眠るAの安心しきった顔は今でも忘れられない。

北海道から引っ越してきて仕事や育児に奮闘する親友をずっと見ていたし、

Aがお父さんが大好きだってことは見ていて分かった。

こいつらは世界一幸せ親子になるなって信じて疑わなかった。

でもAが5歳になってすぐ、親友は愛する妻の元へ愛娘を残して逝ってしまった。

事故だった。

お父さんが死んだなんてまだ小さいAは理解できないから

『ひろしゃん、なんでおとうさんは起きないの？』

となんで？と見つめるAを抱きしめて

H『お父さんはねお母さんが寂しくないようにお母さんのところに行ったんだ。

Aの傍にはずっとHIROさんがいてあげるからね。』

それからは必死だった。

あいつの分までAを幸せにしなきゃって

Aは社交的な性格だから事務所に来る度に色んな人に可愛がられてすぐに事務所のムードメーカーになった。

Aと暮らし始めて1年くらいはずっと『ひろしゃん』って呼ばれてたし、これからもそうだと思った。

『パパ！！』

そう初めて呼ばれたのは保育園の卒園式の帰り道。

涙が止まらなかった。

Aがぎゅっと握った手を俺もぎゅっと握り返した。

小学生になったAは友達と学校終わりしっかり遊んで、遊んでからEXPGのお兄ちゃん、お姉ちゃんと遊んでもらっていた。

いつの間にかAはダンサーを目指すようになっていた。