いろんな話がありました (ページ16)

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都内からちょっと外れた街。

そこに妹は眠ってる。

いつもは命日しか来ない薄情者なのに困った時にはAを頼ってしまう兄貴だ。

妹のお墓の前には先客がいた。

Aがあの日命懸けで守った女の子とその両親。

〈あ、、〉

母親は俺に気づいた。

颯「母からあなた方が頻繁にAの元に来てくれてると聞いていました。ありがとうございます。」

〈いえ、この子の命をAさんが守ってくれましたから、このくらいさせてください。〉

母さんは何回かこの親子とここで会っていてその都度、あの子元気そうだよと

俺は事故後の何も知らないこの子の綺麗な目が忘れられなくて会う気にはなれなかった。

この子を責めてしまいそうで。

颯「娘さんに話したそうですね。あの日起きたことを。」

まだ小さい子どもにあの日の出来事を伝えるのは残酷すぎると思った。

〈あの日、娘を守ったからAさんは亡くなったその事実は変えられませんから。〉

〈Aさんがあの日自分を犠牲にして見ず知らずのあなたを守ってくれたからあなたはその命を無駄にしてはならないことを伝えたかった。〉

それに嘘をついてもいつかは本当のことを知ります。だから私たちは隠さない方向を決めていました。

颯「どんな辛いことでも受け入れ切れると思いますか、？」

〈えぇ、周りの人がちゃんと向き合えばいつか理解し、受け止めきれる日が来ると思います。〉