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颯太side
妹の心臓が誰かの心臓になってからもう5年経った。
颯母「颯太、疲れてるところ申し訳ないけどお客さんが来てるの。」
研修医として目まぐるしい毎日を過ごしてて今日は久しぶりの休み。
颯「…お久しぶりです、、おばさん、」
来ていたのは湧のお母さんだった。
両親が配慮してAの葬儀が終わってあの地から去ってから全く会ってなかった。
颯母「お母さん達、颯太に相談があって。」
湧母「颯太くん、湧に全部話そうと思っているの。湧の心臓が誰のものか。」
ずっと隠せるわけない。
いつか言われると思って
颯「母さん、Aの心臓は誰のもとに行ったかなんて分かんなよ。そういう決まりじゃん。」
本当は誰より分かってる。
湧と生きてる心臓はAのものだって。
だけどそれを認めたら妹を見殺して、親友を助けたやつになってしまいそうで。
それに湧が知ったところで湧はどうなる？
きっと後悔して自分を責めるよ。
颯母「颯太、颯太は立派な選択をしたんだよ？Aの意志を尊重したの。」
湧母「颯ちゃん、颯ちゃんだけでもう苦しまないで？颯ちゃんありがとう。」
颯母「好きな人にあの子がどんな最期を迎えたか知ってもらう権利はあるの。
あの子が小さな子を守ってあの子の両親みたいに勇敢な最期を送ったことを。」
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作者名：ゆさ
| 作成日時：2022年6月11日 23時
