乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ42)

今日:15 hit、昨日:10 hit、合計:77,483 hit

･ページ42

湧side

俺はAが告白してくれた日のことを思い出した。

よく俺はAをレッスンがない日に家から連れ出していた。

『いつもありがとね、湧。』

事務所も高校も辞めてAが引きこもって色々考えないように。

Aの動かす車椅子にペースを合わせて俺もゆっくりと歩く。

Aといると時の流れがゆっくりと感じる。

忙しくて疲れてる時もAと会うとなんか疲れてる感覚がなくなってる。

Aのことがやっぱり好きなんだなって感じる。

Aと付き合いたいと思うけどAに変な負担を掛ける気がした。

『ねぇ、湧。もしも私が湧のことが好きって言ったらどうする？』

え？Aが俺のこと好き？

『迷惑だよね！！そうだよね！！湧と私は同期でメンバーだよね！！それにこんな病気のやつに告られて迷惑だよね！！』

なんだよ、勝手に告白してなに勝手に振られてるんだよ。

俺は気づいたらAに抱きついていた。

湧『俺もAのこと好きだよ。』

とAをさらに強く抱きしめた。

Aはあとからあの時の温もりは一番温かくて涙が出てきたと話した。

【ギュッとしたあの時に感じたキセキ】