乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ39)

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秀生side

Aに事務所を辞めて欲しくない。

それが本音だった。でもAにその意見を押し付けるのは残酷だ。

Aが一番、辞めたくないのだから。Aが一番悔しいから。

Aは病気のせいで色んなことを諦めてきた。

でも最後まで夢を諦めたくないからAなりに抵抗をしてきた。

それを一番間近で見てきた俺らだからそんな簡単に『Aお疲れ様。』なんて言えなかった。

『だって辞めるって言ったらみんな普段通りにしてくれないでしょ？』

病気が分かってAと普段通りにしなきゃって思うほどAの病気のことが頭から離れなくて

『この病気だって話してから頭の隅に病気のことがあるのは仕方ない。

でもね、これ以上気を遣われると私の理想なアイドルではいられなくなるような気がしたの。』

もう夢を見たアイドル象の姿とは程遠いけどねとAは笑った。

最後まで普通の少年忍者のメンバーでいたかったとAは言った。

笑顔でみんなと少年忍者である時間を過ごしたかった。

彼女の願いはずっとアイドルでいることだった。

せめて彼女に大好きなアイドルを辞める期間を決めさせたいそう思ってしまった。

ｰｰｰ

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@uratuku_yusa728