乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ25)

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救急車を呼んで、病院にAが運ばれて

Aさん目覚めましたよと看護師さんに言われて急いで病室に入る。

『ごめんね。びっくりさせて笑』

いつもの笑顔にその時どれだけ安心したか。本気でAを失いそうで怖かった。

湧『よかった、ほんとに無事でよかった』

Aが生きててよかった。そう思った。

『実は初めてじゃないんだ。寝てる間に呼吸が止まってるの。よくあるんだ。』

Aの病気は全身の筋肉が衰える病気。やがては呼吸筋が衰えることも分かっていた。

呼吸筋が衰えてるってことはそろそろAが人工呼吸器着けるということだ。

人工呼吸器を着けると気管切開っていうのをして話せなくなると聞いた。

でもAが生きるには人工呼吸器はなくてはならない。

俺はAが人工呼吸器を着けるのは当たり前だと思ってなにも疑わなかった。

ペラッ

1枚の紙が俺の前に落ちた。その紙を拾い上げて中身を知った時言葉を失った。

湧『おい、、これ、、』

『その時は楽に逝かせてね。』

その紙はDRAオーダーと書かれていた。

【心配停止時に心肺蘇生を行わない。】

の欄にチェックがついていた。