乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ24)

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湧side

『私、人工呼吸器はつけない。』

湧『何言ってんだよ？！A？冗談はよせよ。』

ふいに初めてAと大きな喧嘩をしたときのことを思い出した。

その日はAの家でお家デートをしていた。

湧『A？そろそろ寝な？ベッドに運んでやるから』

このころにはAはもう歩くことも自分で立つことも出来なくなっていた。

体力もなくなっていたからAに睡眠を取らせることも俺の仕事になっていた。

　
『でも、せっかく湧が来てくれてるのに、』

なんて可愛いこと言ってくれてるけどそうもいかないからAを車椅子から抱き上げてベッドに運んだ。

『重くない？』

と聞かれてはじめの方は『すごく重い笑』と答えてたけど病気のせいで食も細くなったAは心配するほど軽かった。

湧『もっと太れ笑』

『やだよ笑』

本気で太って欲しいけどなと。すぐに眠りについたAを見ながら思っていたら俺はあることに気がついた。

湧『A？A？起きて？A』

Aが寝ている間に呼吸をしてなかったのだ。急いでAを起こしても起きないAに怖くなって救急車を呼んだ。