星の歌姫【月島蛍】

ep:19 ページ20

-星宮side-

美人さんは清水先輩という方だった。
練習が始まってからも仕事の手が空くと話しかけてくれるような優しい先輩で、マネになればよかったかと後悔してしまうほど。

「Aちゃんは部活入ってないんだよね？」

「はい、帰宅部です」

「なにか趣味とかがあるの？」

確かに部活に入らないなら他に何かやっていると考えるのが普通だろうし実際わたしもやっていることがある。なんと答えるのが正解なのだろうか

「ん…まあバイト、みたいなことをしてますかね」

当たらずとも遠からずと言ったところだろうか

「そうなんだ。もうマネをする気はない？」

清水先輩のような人の下でならやりたかった気もするけれど

「そうですね。やらないと思います。
今やってることが楽しくて、やりがいがあるしきちんと答えを見つけたいと思ってるところなので！」

わたしの答えを聞いてから先輩はすこし笑って

「うん、Aちゃんいい顔してる」

「ありがとうございます」

ぎこちないと思うけれどわたしも微笑みを返した

気づけば練習も終わり外は真っ暗だった。
みんなの着替えが終わるのを待っていると

「お待たせ」

お目当の人はすぐに来てくれた。

「蛍、練習お疲れ様」

「なんで一緒に帰ろうなんて誘ってきたの」

「ちょっと聞きたいことがあったの」

「ねえ蛍」

あまり捉えたことのない彼の目を両目でしっかり捉えて

「エトの歌って蛍にとってどんなもの？」

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