First love～恋した季節 (ページ12)

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春の出会いページ12

年が明けて月日は流れ3年になった。

また紫耀と同じクラス。

〈また同じかよ。〉

「嬉しいくせして。」

照れ臭そうに鼻先をかく。

〔あの...そこの席。〕

「ごめんなさい。どくね。じゃーね紫耀。」

〈あぁ。〉

〈お前2年の時3組だった...〉

〔あらしです。〕

〈そうだ。よろしくな。〉

紫耀をみていると

「笑ってる...」

放課後。

〈じゃ、また明日な。〉

〔また明日。〕

「あの子、あらしさん？」

〈うん。いい子だぜ。〉

「へぇー。好きなんだ。」

〈バカ。んなこと言ってねえよ。ってか俺には好きなやついるし。〉

「えっ！誰々、ちょー気になる！」

〈誰が言うかバーカ！じゃ、また明日な！〉

「うん。」

紫耀は中学からの友達。
席が隣同士で人見知りの私に最初に話しかけてくれたのが紫耀。話すうちに楽しくて馬鹿ふざけして
いつしか女友達より長い時間いるようになった。

家に帰るとお兄ちゃんはお父さんが使っていた部屋を使い1人部屋は広くてどこか寂しい。

プルプルー。

「もしもし。」

母〝A？〟

「どうしたの？」

母〝お母さん。ちょっと入院しないといけなくなってね〟

「えっ！どういうこと？死なないよね？」

母〝死なないよ。でも、1週間は家を空けるから雅紀くんにも伝えてて。心配はしないでよ〟

心配しないでよ。って言われても心配はするよ。
たった1人の私のお母さんだから。

夜

『ただいま。お母さんは？』

「入院、1週間は帰って来ないって。」

『大丈夫なのかな？』

「心配はしないでよだって。」

『そっか。夜ご飯は？』

「どうしよ。作ってないみたい。」

『よしっ。車回すからご飯行こっか！！』

うんと言ったもののどんな服装で行けばいいの？
隣には何もしないでも完璧すぎるアイドルがいる。
メイクもバッチリして可愛い服を着た。

「どうかな？」

『大人ぽいね。』

車の助手席を開けてくれて席に座る。
隣にはお兄ちゃん。もう前しか見るとこないよ。

『緊張してる？リラックスリラックス！！』

着いた店は高そうなお寿司屋さん。
回ってない寿司屋。

『いつもの彼女に。』

いつものってよくここに来るんだ。
益々、緊張するよ。

高そうな種類の握りを目の前に並べて口に頬張る。

「美味しい！！」

『良かった。』

パクパク口の中に入っていく。