突きつけられた現実 ページ40
霧「監督、今度は負けなんですか？」
放課後の部活、サッカー部は今度の試合の勝敗に耳を傾けていた。栄都と練習試合、もちろんこちらが負け。
速「負けなんですね：：：」
轟「何で、よりにもよって栄都なんかに！あんなとこ、俺達が本気だしゃあ、一発じゃねえか！」
何故、勝敗が決まっているのか。
それはフィフスセクターが決めたルール。平等に勝敗を決め、弱いチームでも勝てるようにするためだ。
もちろん、勝負などに普通は勝敗を決めるものなどない。
それは、フィフスセクターに属している私自身も分かっている事だ。
轟「おい、丘橋！お前はフィフスセクターだろ？何とかならなのかよ！」
轟田先輩が壁に立っている私を見て言うが、私は無言で横に首を振る。
貴「私はあくまでフィクスセクターに所属する一部の人間。そんな簡単に、上と掛ける合えるわけがない。それにそんな事をしてしまえば、雷門サッカー部の立場がもっと危うくなる。
私はそんな事にはなりたくないから、今はだまっている事しか出来ない。悪いけど」
轟「くっ：：：」
私の言葉に、轟田先輩は唇を噛みしめる。
私だってどうにかしたいさ。けれど、それを動かすには私一人だけで出来るものではない。
そんな不穏な雰囲気の所に、陽気な声がドアの向こう側から聞こえてくる。
天「おはよ：：：ございます」
天馬と信助と葵ちゃん、一年組だ。
どうやら三人は、まだこの事を分かっていないのか唖然とした顔をしている。
そして、神童が栄都学園との試合があると天馬達にあると教えた。天馬は嬉しそうに拳をガッツにさせて神童達に言う。
天「先輩、頑張ってください。俺達一生懸命応援していますから！」
貴「いやいや、天馬達も出るんだよ？」
天「え？」
貴「天馬達がいないと、人数足りなくなるでしょ？」
まあ、絶対私の事は出してくれなさそうだし。フィフスセクターだし。
どちらにせよ、天馬達が出るのが正規ルートだから別に良いけどね。後は何も起こらない事を祈るだけ。
天「そうなんですね！俺、一生懸命頑張ります！」
天馬の意気込みは、こんなにも良いと言うのに：：：神童達はとても暗い。
それは勝敗の事を知っているから。
それとは裏腹に天馬はその事を知らない。何も知らない。
貴「：：：」
この物語の後を知っているとしても、やはり心が痛む。
やはり彼らは一人の人間なんだと感じた。
清「：：：」
そんなのはただのエゴだ 清美side→←私の『努力』は当たり前 清美side
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作者名：keito | 作成日時：2015年5月18日 0時
