試合の後::: 蘭丸side ページ11
化身を自分の情けなさに怒りを覚えて出した神童は、試合終了と同時に倒れた。勢いで出したために力を使い過ぎてしまったのだろう。
俺は倒れた神童に近づこうとすると、横から丘橋が神童をお姫様抱っこのように抱きかかえた。
貴「神童は:::リーダー失格じゃないよ」
気を失っている神童にそう言いながら小さく微笑み、抱きかかえたままグラウンドから出て行こうとする丘橋。
霧「あ、おい!どこに連れて行く気だ!」
フィフスセクターである彼女が神童を連れて行ってしまうのではないかと止めようと肩を掴むが、彼女は俺の方に振り向かないまま言葉を発した。
貴「心配しないで、保健室に連れて行くだけだよ?」
霧「いいや、信用ならない」
貴「:::なら、私と一緒に行けばいい。それなら君は納得するでしょ?」
そう言って振り返って微笑む丘橋。どうやら、神童を離そうという気は一切無いようで俺は丘橋の言葉に納得せざる終えなかった。
天「:::あの!」
と、途中で試合に入って来た新入生・松風 天馬が戸惑いながらも丘橋に何かを言おうとしていたが、
貴「ごめん、天馬君。神童を保健室に連れて行くね」
と言って松風の前を通り過ぎる。
何が目的なのだろう:::そう思った。
――――――――――――
保健室
貴「よし!ていうか、男子にしては軽かったな〜神童」
と、言いながら保健室のベットに神童を横たわらせて掛布団を掛ける丘橋。俺はその言葉に少し嫌味を言ってみた。
霧「と言う事は、お前の方が体重が重たいのか?」
貴「あ、そうそう::って女に言わせるなよこの野郎!」
とノリツッコミを入れて来た丘橋。どうやら女という自覚はあるらしい。
貴「んだよ、お前の方がよっぽど女っぽいじゃねえか!」
と、俺の頬をつねる丘橋。俺は頬をつねられながらも怒った。男としてプライドが許さないからだ。
霧「ふおふえふおふううな(それを言うな)!」
貴「アハハ!言ってる意味分かんないよ!」
霧「:::」
あれ、こいつ:::フィフスセクターだよな?
こんな豪快に笑う奴があの剣城と一緒なのか?
貴「まあ、いいや。久しぶりに笑えた」
普通の:::俺達と同じ子供じゃないか。
霧「:::どうやら、俺はお前を誤解していたようだな」
貴「ん?」
と、首を傾げる丘橋。俺は微笑みながら言った。
霧「神童をここまで運んでくれてありがとうな」
貴「:::うん「拓人!」?」
清「あなた、誰?」
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作者名:keito | 作成日時:2015年5月18日 0時