神の怒り、そして約束 ページ7
目覚めると、そこはいつもと見ている光景ではなかった。これは、螢がいつも見ている『光景』だ。
僕の目の前に垂れている金髪。僕は驚いて自分の髪を触る。実体が：：：ある。
ケ「これ、は：：：？」
違う、これは僕の体じゃない：：：螢の体だ。
その確信は、アースイレブンのメンバーが僕を見ている目と自分の着ているものがジャージである事でついた。
み「どうぞ、現実の世界へ」
緑髪の少女が僕に向かって小さく微笑む。隣には黒岩監督が佇んでいた。
ケ「何故、僕がここにいるんだい？精神を入れ替えるのは簡単に出来ないはず：：：君何かやったの？」
み「『ある物』を使わせてもらいました。そうでもしないと、貴方はきっと協力をしてくれないので」
少女の手に持つ物をチラッと見る。『ある物』ってコレの事だったのか。
僕はあえて『ある物』については何も言わなかった。何故、そんなものを少女が持っているかさえも：：：。
代わりに僕はこう言った。
ケ「僕はちゃんと協力をすると言ったはず：：：」
み「：：：ああ、すみません。『貴方』はケイディスさんを指しているではありません。螢さんの事を言ったのです」
ケ「：：：え？」
み「どうやらあなた方は相互とても大切に想っているように見えました。黒岩監督が貴方に協力をしてもらう事もあまり良く思っていなかったようですし」
だから何も言わず、僕との精神を入れ替えたという訳：：：か。
ケ「大体の事情は分かった：：：けれど、今後強制的な精神の入れ替えはやめさせてもらえないか？僕達は同意の上で精神を入れ替えてるんだ」
み「何かデメリットとでも？」
デメリット？そんな損得の問題じゃない。
貴『大丈夫だよ、ケイディス』
ケ「！：：：だからって」
貴『ちょっとびっくりしちゃったけど、私じゃなくてケイディスしか出来ない事ならしょうがないと思う。それに、それが皆の為になるならいいよ』
優しい声で僕を宥める螢。僕は彼女の答えに感情を押さえて黒岩監督の方を向いた。
ケ「今、螢の許可がおりました。彼女が言うなら僕は協力しましょう。だけど」
み「：：：」
ケ「今後は、強制的な精神の入れ替えは控えて下さい。この体は螢の体、精神の入れ替えは精神を消耗します」
み「そうですか、分かりました」
ケ「くれぐれも彼女の意志を無視するような行動はやめて下さい。もし、同じ事がまたあったら僕が自ら拒否をさせて頂きます」
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作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
