怪盗ジョーカー～満月の怪盗～２【スペード】 (ページ23)

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Voleur avec copain datant(怪盗と相棒の出会い)　＃１ページ23

アルタと出会ったのは、私は美術館から宝石を盗みに行こうとしていた。けれど宝石を盗むのは簡単じゃない。

宝石を盗む最適なルートは、美術館の隣にある研究所を通らないと行けなかった。他のルートでは宝石を盗むのは難しかったからだ。

貴「美術館に行くはずなのに、何で私は異様な研究所を通っているのか：：：こわ」

研究所の見た目はとても普通だったが、研究所の独特な雰囲気に私は体を震わせていた。にしても、

貴「警備もないし、不法侵入を防ぐ為の防犯も何もしていない。まるでほいほいと入って良いと言っているようなもんだ」

研究所にはすんなりと入れた。少し身構えていた自分が馬鹿みたいに感じてしまう。

ていうか、本当に人がいない。

貴「人がいないなら：：：近道でもしようかな」

人も誰もいないなら私にとっては好都合。私は美術館に近い部屋を通る事にした。けれど、そこは窓が一つもないドアが二つあるだけのほとんど密室と言っても良い程の閉鎖された部屋らしい。

けれど、その部屋を通らないと近道出来ない。

私は、意を決してその部屋への扉を開けた。そこで私はある者を目にした。

貴「：：：？」

透明な筒の中に浮かぶ私よりも小さい裸の子供。体を見るとどうやら、男の子らしい。私は好奇心に負けて、透明な筒の中で眠る少年に近付いた。

貴「すごい：：：」

透明な筒の周りを歩き周り、少年を観察する。そして私は少年の腕に描いてある『数字』を見つけた。

そこには、『１４号』という緑色の数字が書かれていた。

貴「１４号：：：って何？」

？『不法侵入ですよ』

貴「え？」

透明の筒の中から聞こえる少年の声。私は腕から声の方へと視線をゆっくりと移す。

？『へえ：：：怪盗さんですか。隣にある美術館のアメジストのネックレスでも取りにきたんですか？』

美しいアメジスト色の目が私の姿を映しこむ。その美しい目に私は心を奪われた。

？『盗みに来た所悪いんですけど、あれただの『レプリカ』ですよ』

貴「：：：マジ？」

？『というか、あそこの美術館に本物はおいてありません。馬鹿な怪盗を捕まえるために作られた罠です』

貴「ええ：：：」

彼のネタバレに私は自身の愚かさと怪盗としての技量が足りていない事にショックを受ける。あ、後遠回しに少年に『馬鹿な怪盗』って言われたのもショック。

貴「まあ、少し怪しいと思ってたから教えてもらった事には感謝するよ」