ローランと私 ページ21
貴「遅くまでお邪魔してごめんね。桜田君」
ジュ「いや:::ていうか、送って行く。真紅の事で協力してもらったし、女の子一人で暗い道を帰らせるのは危ないからな」
貴「じゃあ、そうしようかな」
真紅の件が解決して、私は夜遅くまで翠星石達と遊んでいた。一人で帰ろうとしていた私を心配して桜田君が送ってくれるらしい。
心配してくれるって:::何だか嬉しいな。
ジュ「今日は本当にありがとな」
貴「ううん、別に。真紅が目覚めて良かったよ」
何回も私にお礼を言う桜田君。私はただ助ける手伝いをしただけ、助けたのは他にもない桜田君だ。
そうとは自分では思うが、桜田君からの言葉を否定するような事はしたくないのでだまっておくことにする。
そして、少しの沈黙の後に桜田君が口を開いた。
ジュ「あの:::さ、一つ聞きたい事があるんだ」
貴「ん?」
ジュ「『夢』の事で:::」
桜田君はそう言った。私は、『夢』という言葉に体を反応させて微笑んでいた顔を無という表情に変える。
冗談ではない。真剣な目をして話している桜田君を見たこそ私はその表情を見せた。
そして桜田君は、夢に出て来た『父親』について質問を私に問いかける。その父親の名前は分かるのかと:::。
貴「ごめん:::分からない」
ジュ「そ、そうか:::聞いてごめ「でも、少年の名前なら分かる」え?」
貴「『ローラン』:::少年の名前は『ローラン』だよ」
そう、『ローラン』。私の前に姿を現す少年もまた『ローラン』という名前を名乗っていた。
そして私は思った。これは偶然ではありえない事を。
きっと、『ローラン』という少年は私と何か繋がりがあるんだと。
ロ『ああ、そうだよ。蒼』
貴「:::ローラン?」
ジュ「ローラン?:::!?」
前から聞こえた少年の声。その声はあの時、あの図書館で出会った少年の声と似ている事が分かる。私は桜田君に向けていた顔を前へと向けた。
金髪に緑と赤のオッドアイをした少年:::間違いなく『ローラン』だ。
ロ『蒼、君には重い役割を背負わせてしまったね』
私に向けて微笑む『ローラン』に、桜田君はどういう事かという様に私とローランを交互に見る。
そして、ローランは私に手を広げて:::、
ロ『ごめん:::』
半透明な体で、私の体を優しく抱きしめた。
何故だろうか:::ローランの体は透明なはずなのに、抱きしめられる感覚と暖かさがあった。
貴「ローラン:::」
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIN - 蒼星石って女の子ですよね?あれ? (2017年12月10日 20時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです!keitoさんナイスです!蒼星石私も大好きです! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました!続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝビシィ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:keito | 作成日時:2015年7月6日 17時