GENERATIONSの小森の女【2】 (ページ39)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:153,816 hit

もしも【番外編】ページ39

～もしも咲原Aが一般人だったら～
・

隼 side

"小森さんは明日、〇時からトレーニングです"

携帯にきた連絡に適当に返事をする

自分の職業柄会えないことの方が多い

Aがoffだと俺が仕事。

俺が珍しくoffだとAが仕事。

そんな日々が続いていたがようやく2人のoffが重なった日があった。しかも2日間。

だからAが泊まりに来ていた

なのにいきなり明日トレーニングって、

どこ行くって約束だってしてたのに

『...隼、？何かあった、？』

このタイミングでそう聞いてきたAによく俺のことを見てくれているんだと感心しながらも本当のことを言わないといけないという苦しさに襲われる

首を若干横に傾げた彼女の頬に触れた

「...A、」

『ん、？』

「...ほんとにごめん。明日トレーニング入っちゃったって...。」

『...っ、そっか！まぁしょうがないよ！大丈夫だよ！』

そう笑って見せてくれるけど全然大丈夫には見えない、

「...ほんとにごめん、また今度行こっか、絶対」

『...うん、絶対、、行く、』

俺の手の甲を擦りながら目を伏せた彼女に違和感を持ったからしたから除くと、

静かに涙を零していた、

「A、、」

頬に伝っている涙を指で拭うと口を微かに動かした

『...だ...』

「えっ？」

『...行っちゃやだっ...(泣)』

大粒の涙を流しながら抱きついてきたA

小さな体でグッと力を込めているその背中に手を回した

『...こんなに好きなのにまた会えなくなっちゃう...(泣)』

弱々しい声でつぶやく

「...ごめん、辛い思いさせてた...」

『...泣』

髪の毛を撫でると俺の背中のシャツを握り締めた

『...わがままって分かってるけど...もう、無理(泣)』

「わがままじゃないよ大丈夫大丈夫、落ち着いてや、」

ﾋｯｸﾋｯｸしてる背中を子どもをあやす様にトントンと優しく叩くといつの間にか収まっていた

「A？大丈夫、？」

『...』

よく聞くと耳元でスースーと寝息を立てていた

Aを抱っこしたまま寝室に向かいゆっくりと寝かせると腕を掴んで離さない

『隼.....』

寝言でそう呟いた彼女が愛おしい。

遠くない距離なのに、遠い。

ずっと我慢していただろう。

あの姿を見て不謹慎だけど可愛いと思ってしまった

"今日体調が悪くなったので明日のトレーニングお休みします"

そうトークに嘘を残しAを抱きしめ眠りについた

・