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−You Side−
【七夕祭】の前日。
各々のユニットがレッスンに励む中、私は私用で生徒会室へと足を運んでいた。勿論、生徒会長に提出する物なのだが。
廊下を歩いていけば、すれ違いに敬人と会う。
丁度いい、英智くんがいるか聞こうと話しかけた。
『敬人。英智くん生徒会室にいる?』
「あぁ、いるぞ」
『分かった。ありがと』
そう、必要最低限に言葉を交わせば、お互いに無言で通り過ぎる。自分でも素っ気ないとは思う部分もあるが、これが私たちなのだ。
生徒会室の一歩前に着き、ふぅ、と深呼吸。制服を軽く整えればこれで大丈夫。片手に書類をぎゅっと握り締め、扉をノックした。
…………なのだが、いつまで経っても返事がない。本来ならば英智くんの声が聞こえてくるはずなのに。
けれど、敬人が嘘をついた訳でも無いだろう。基本的に嘘なんてつかない奴だし。
扉の目の前でどうしようかなぁ、と悩んでいたが1つの結論に行き着く。小声で入室することを呟き、ドアノブを押した。
___
確かに、英智くんはいる。……だけど、珍しくも机の上で眠りこけているなんて。
『…………』
控えめに言ってちょー可愛い。最 & 高。
今すぐにでも大声で叫びたい。いや、そんなことはしないけど。
それにしても、顔が良い人ってのは寝顔も顔が良いんだね……。
って、いつまでもこうして眺めてるだけじゃ駄目じゃないか私。本来の用事を忘れるところだった。
……別にこの書類、急用でもないんだよね。ただ目を通してくれれば充分というか。
ど〜〜〜しても起こしたくない自分は、そんな考えに至り……そこら辺のペンと付箋を手に取った。
普段は敬人が仕事に使っているであろう長机を借りて、ペンですらすらと字を書く。
[書類確認お願いします]……あとは名前を書くだけだけど、これじゃあちょっと物足りない気がする。
単にメモ用紙のくせに物足りないも何も無いのだが、やっぱりもう少し付け足したい。咄嗟に思考を巡らせ、やっと思いついた。
名前を書いて、書類に貼って。それを英智くんの机の上に置く。
最後に英智くんの寝顔を脳裏に焼き付け、私は足音をたてまいと生徒会室から去った。
七夕祭頑張ってね、英智くん。
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ひなたりん(プロフ) - 紫水さん» お久しぶりですね!この作品面白くて大好きです!反応集の更新頑張ります(`・ω・´) (2020年7月26日 10時) (レス) id: 0e1418e0b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ひなたりんさん» ひなたりん様!お久しぶりです〜!!ペコリ((・ω・)_ _)) 明日中には続編公開予定なので、是非楽しみに待っていてください〜!! こちらも、反応集の更新楽しみにしていますね´`* (2020年7月25日 23時) (レス) id: 0c629b66c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひなたりん(プロフ) - ぞ、続編!?楽しみに待ってますね!紫水様ほんと好きです← (2020年7月25日 23時) (レス) id: 0e1418e0b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 烏賊さん» 返信が遅くなってしまいすみません!コメントありがとうございます!!英智くんの可愛さが、きちんと読者さんに伝われているようならとっても嬉しいです…!! (2020年7月6日 22時) (レス) id: 0c629b66c9 (このIDを非表示/違反報告)
烏賊(プロフ) - 英智くんめっちゃ可愛いな... (2020年6月30日 20時) (レス) id: 407f6d7981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2020年5月20日 14時