やまいの短編集 (ページ12)

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幼馴染み×かるた 3 ページ12

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あれから一週間。

涼介とは毎日違う下校、登校時間。

学校ではほんの一言二言で。あんまり話さなくなった。

淋しいな。そう。思っていた。

ﾊﾟﾝｯ

札を叩く音がする。

迫力が凄くて。

速さが…凄くて。

そんなかるたに一目惚れした13年前。

少しだけ…初心に戻った気がした。

クイーンになって、涼介を驚かしたい。

　「ももしきや古きの牙の忍ぶしも n＿＿＿＿＿＿＿＿」

ﾊﾟﾝｯ

＿＿＿＿＿＿＿＿

　「「「ありがとうございました！」」」

部活が終わって、かえろとしたとき。

声がした。

　「付き合ってください！」
山「いや。俺は、好きな人がいるんで。ごめんね？」

一日に一人は告白されるという噂って本当だったんだ。

山「あ！慧！」

走ってこっちにくる涼介。

伊「来月に。大会が…あるの。その…大会で…もし、クイーンになったら。

付き合ってよ。涼介。」

告白みたいな事を言ってしまった！

私！あぁー！

山「…やだ。」

え！？涼介って、私の事、嫌いになってたの！？

ひらりと一枚の紅葉が落ちた。12月なのに。

下には、唐紅に。紅の色に染まっていた。

不思議で。

山「俺も。俺も…慧が好きなの。だから」

俺と。付き合ってよ。」

え！？まさかの！告白された！？

山「来世も来来世も一緒に暮らそう？」

伊「…うん。」

伊「じゃあさ。私がクイーンになったら。

涼介の奢りで。
デート。しよ？

そのあとのデートは、楽しくって。

楽しい思い出がイチページ増えた。

学校の裏の木には、紅葉の木があって。

紅葉が落ちたその木の周りには。

唐紅に染まった地面でいっぱいなんだ。

遠き神代の時代にも。

涼介みたいな人っていたのかな？

私の運命の人は。

山田涼介で。

来世も来世もずっと一緒。

ここら辺は、不思議な色に染まっている。

唐紅に染まった不思議な色に。

ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれないに水くくるとは＿＿＿。

燃えるような紅葉の色が、川を染めあげる。

それはとても不思議な色。

私の心にはずっと紅葉が川を染め上げている。

初心は忘れずに。