真っ白 : 土方 ページ40
違和感を覚え、
眼を上げる。
少しだけ、傾いた頭に
ふに、と柔らかいモノが当たる。
土「……っ」
見上げたその顔の近さに
驚く間もなく、
手を伸ばしていた。
「……っん」
2度触れたことのある唇が
今は酷く熱っぽく、
軽く触れるだけのつもりが
いや、そもそも
そんなつもりなどなかったのかもしれねぇが
唇の先を当てがったまま、
乱暴に呼吸をし、噛み付くように
また熱を重ねる。
苦しいのかその身を
離そうとする頭を後ろから押さえ、
角度を変えて何度も何度も重ね続ける。
頭の中が真っ白になる。
自分が気づかぬまま、
Aに抱き付いてたことも
髪に触れられ
見上げた、その表情が
あまりに艶っぽかったことも
今は何も考えられねぇ。
弱々しく、胸をとんとんと叩かれる。
俺はそこではっとして
少しだけ、唇を離す。
土「……はぁっ」
「…っは、はぁ…くるし…です」
土「…っ!」
頬を赤く染め、
涙目になりながら
そんな声出すなんて
完全に逆効果だ。
土「……煽ってんのか」
「……へ?」
土「……………もっと、」
「っ!!?」
返事は求めてない。
何か言いかけて開かれた唇に
舌を伸ばす。
肩がびくっと跳ね上がり、
微かに開けた眼で
大きく見開かれた眼が見えた。
「ちょ………ま、…っ」
んぐ、とその声を飲み込む。
触れる舌は柔らかい。
押さえる肩が熱くなってるのが伝わる。
ああ、俺、
やべぇな今。
なんて、他人事のように思う。
このまま、
なんて、思っちまう。
俺の身体も熱くなっていくのを感じる。
感じながら、どこかで理性が
抗おうとしているのも分かる。
触れてぇ。
もっと触れてぇ。
全部、欲しい。
でも、
だから
だからこそ
きゃあぁぁぁぁぁーーーっっっ
土「っっっおっわぁぁぁぁ!???」
「っ!???」
バッッッッ
土「…………………、、」
「…………………、、」
突然、聞こえた女の叫びに
大声を上げ、
思わず、Aの身体を離してしまった。
向かい合っていた俺らの距離が開き
お互い、無言で見つめ合う。
「…………土方さん、て、ホラー苦、」
土「苦手じゃねぇよぉぉ!?
んなことある訳ねぇだろ!??」
「…………………、、、」
どう取り繕っても、
なんか………
どうしようもねぇぞ、これ。
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美雨(プロフ) - 美桜さん» 読んでいただければ!と思いますが土方さんオチに収まりそうです…!銀さんっ!! (2018年9月2日 22時) (レス) id: 8246142a47 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - えっと…どっちオチに向かってますか?すごく、気になります!! (2018年9月1日 15時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 美桜さん» とんでもないです!途中でも貰えるなんて光栄です!9章まで読むとなると時間もかかるのに…ほんとにありがとうございます涙 (2018年8月21日 21時) (レス) id: 3d5acb8dd8 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ごめんなさい、1回目途中までしか読んでなくて…中途半端な所にコメントしちゃって!1回目は、忘れて下さいっ笑 (2018年8月18日 11時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 美桜さん» 2回もコメントしてくださり、ありがとうございますっ泣 銀ちゃんにはもっと頑張ってもらいましょう笑 引き続き、楽しんでもらえたら嬉しいですっ!! (2018年8月17日 14時) (レス) id: 8246142a47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨 | 作成日時:2018年7月22日 21時