だって、わたしがいる【銀魂】9

わざとらしい : 土方 ページ29

「あ、お帰りなさい！土方さんっ」


土「……た、だいま」


「…あれ、呑んできたんですか？」


土「…………す、こし」


「へぇ…珍しいこともありますね。
土方さんがまだ仕事残ってるのに、
見廻りに出たと想ったら
呑み歩いてたなんて。
わたしに連絡ひとつ寄こさず
仕事押し付けて、呑んで帰ってくるなんて」


土「悪かった悪かった悪かったあぁぁ！！
いぃ今からすっから！！！
お前はもう上がれ！！！」


「冗談ですよ。ポリっ‥‥」




ため息混じりに戻ると、
待ち構えていたのは
机に書類の山を戦っていたA。
冗談だとm&msを齧ったが
その、じと眼は本気だった。




土「いや…まさか、まだ起きてると思わなくてな。
その書類、今日中じゃねぇだろ？だったら…」


「あぁ？こちとら、補佐ですからねぇ？
連絡もねぇ副長様を仕事しながら待つべきかと
必死に眼(まなこ)広げて筆進めてたんだよ。
まだ起きてると思わねぇだぁ？
士道不覚悟で切腹にしてやりましょうか？ごらぁ？！」


土「悪かったね！俺が悪かったね！？
連絡もなしに出歩いてた俺が悪かったねぇ！？？」


「……はぁっ、ほんとに心配したんですよ」


土「！！」




ガン切れ顔から、ふっと力が抜け
眼を伏せながら眉を下げるAが
どんな気持ちで仕事していたのかは
容易に想像できた。

俺は自然とその髪に手を伸ばし、



土「…すまねぇ」



と頭を撫でた。

瞬間、
Aが眼を見開き
少しだけ、下げた眉を顰めた、
ように見えた、が…。




「こ、れからはっ！
わたしにちゃんと
伝達するようにしてくださいね！！
補佐なんですから！」


土「……ああ、わかった」





？なんだ。
いつもと変わらねぇ態度だが、
どこかに違和感を覚える。

俺は腑に落ちないながらも、
Aの机の書類を手に取り座る。




「へっ…、え、いいですよ。
最後までわたし、やりますから」


土「俺のせいで眠れなかったんだ。
こっからは俺がやっとく。
お前は先に休め」


「…はい、、じゃあ、失礼します」


土「…！？」




あれ。
もう少し、粘ると思ったんだが…。




土「お、おやすみ…！」


「土方さんも早めに休んでくださいね。
おやすみなさい」




………ぱたん





土「………、あれ？」




昨日、だよな？
き、、、キスしたのって。
つうか、時間的には今朝だよな？
なんかもっとこう、甘くなるの
予想してたっつーか期待してたっつーか。




なんか、わざとらしいくれぇ普通だ。

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