だって、わたしがいる【銀魂】9

からっぽ : 土方 ページ19

以前にも思った事だが…



土「軽ぃな。こいつ、中身入ってんのか？」



Aを背負い、
未明と呼べる時間に
かぶき町の夜道を歩く。
仮装はしてるが、こんな時に
浪士に襲撃されたらアホみてぇだな。
まぁ、かぶき町全体が
仮装してる奴らだらけで
上手い事、紛れちゃいるが…。

つうか、
これ、後ろから
………ぱ、、下着、、見えてねぇだろうな。
尻んとこ、押さえる訳にもいかねぇし。



土「っチ、だからもう少し
長くしろって言ったんだ！！！」



隊士たちがパンチラがどうの騒いでるのを見て、
アホらしい、んなもん、何がいいんだ。と思っていたが
……い、いや…見たいとかじゃなくて
他の奴らに見せんなよってことで…、、、
他の奴らにってことは、俺に見せろ…？ってことに…なる？
いやいやいやいや、そうじゃなくってだな！！！？？



「何ブツブツ言ってるんですか…？」


土「のわぁっっ！？？？
てめ、起きてたのかっ！？？
つうか、声出てた！？俺！」


「いえ…今、眼が覚めて…。
そしたら、何かブツブツ、」


土「なななな、何も言ってねぇよ！？？
面倒くせぇなってグチってただけだよ！？？」


「ああ…すみません、
もう覚めたみたいなんで下ろしてもらっても、」


土「……ダメだ」


「…へ？」


土「こんな状態のお前を歩かせて、
浪士に襲われたらどうする？
それに、俺はあの女にお前を任せられたんだ。
このまま、屯所に帰る」


「……重く、ないですか？」


土「からっぽなんじゃねぇかと思うくれぇ、軽い」


「……そのからっぽは頭のこと言ってます？」


土「よく分かってんじゃねぇか」





ふざけながら、歩む足を静かに緩める。
正直、耳元を霞む声や
背中に当たる柔らかさ、
直接触れる、太ももに恐らく、
俺の顔は赤らんでると思うが





「………綺麗ですね、月」





なんだか、随分と久しぶりな気がするんだ。





土「……そうだな」





こうして、ふたりで月を見上げるのは。





土「‥‥月が地球から
離れていってるってんのは本当なのか？」


「？…ええ、本当です」


土「万事屋がお前に聞いたって言ってた」


「へえ！あの銀ちゃんが
覚えてるなんて、思わなかったな！」


土「…………忘れねぇだろ」


「そうですよね、
わたしも最初に知った時、とっても驚きました！」




違えよ。


あいつも俺も、
Aと話した事を
忘れる訳ねぇって言ってんだ。



とは、言わないでおくか。

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