だって、わたしがいる【銀魂】4

血走った三白眼 : 沖田 ページ44

土「総悟」


沖「あい？なんですかい、土方さん。
とうとう、俺に殺られる気になりやしたか？」


土「なる訳ねぇだろっ。
ったく…、これから近藤さんと
幕府のお偉いさん方に逢ってくる。
戻りは遅くなるかもしれねぇ。
何かあったら、すぐ連絡よこせ」


沖「副長ともなると大変ですねぃ。
わかりやした、留守は任せてくだせえ。





…で、Aは今どこで？」




俺が言うと、
俺に背を向けかけていた身体を
ぴくり、と揺らして止め
チンピラのような眼つきで振り返る。




土「…、あいつになんか用か？」


沖「特にありやせんが、さっきから姿が見えねぇ。
留守を預かる以上、隊士がどこにいるかは
把握しておくべきだと思いやしてねぇ。」


土「……」




土方さんは
平然と言葉を並べる俺に溜息を吐き、
漸く、返答を寄越した。




土「…Aなら、書類倉庫だ。
恐らく、半日はそこにいる」


沖「そうですかい、……わかりやした」


土「今の間はなんだ、今の間は！！
てめぇは提出期限過ぎてる書類やれよ！！？」


沖「わぁってますよ。うるせぇこってぇ。
何ですかい？心配なんですかい？
そうですよねぃ。あっこの倉庫は
防壁で出来てて、中の声は
外には聞こえませんもんねぇ。
土方さんの留守をいいことに、
俺が倉庫に行って、Aに何かするかも、」







ひゅっっっっ

がっっっっ！！！！








沖「っ…！！……どうしやした？土方さん。
顔がもう、チンピラ通り越して鬼ですぜ」


土「ふざけたこと、あんま抜かしてっと
士道不覚悟で腹切らせるぞ、総悟」




俺が皆まで言う前に
土方さんが俺の首元に掴み掛かる。
血走った三白眼とは裏腹に
低い声を更に低く、
落ち着いた様を保ちながらドスを効かせる。




沖「おやまぁ。
土方さんはこんなにも
冗談が通じねぇお人でしたかねぃ？」


近「トシ。そろそろ行くぞ、って！！
おい！！？トシ！！総悟！！
何してる！？何があった！？？」




ばっっっ




土「なんでもねぇよ、近藤さん。
とっつぁんが待ってる、行くぞ」


近「お、おう…。
じゃ、じゃあ、行ってくるな！総悟！
後は頼んだぞ！！」


沖「へーい。土方さーん、お土産頼んますねぃ」




土方さんは足を止めぬまま、
もう一度振り返り、俺に鬼の眼をぶつけた。







沖「おお、怖。
んな大事なら、
さっさと掴まえりゃいいのにねぃ。









………さて、行ってみるかぃ」

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