だって、わたしがいる【銀魂】11

おまけ : ふたり ページ49

パリパリ。
コロ、コロコロコロ。



土「おい」


「はい！どうしました？十四郎さん！
何かして欲しいことでも！？
お茶ですか？マヨですか？」


土「いや、何チョコ食べてんだ！
バレてねぇとでも思ったのか！！」


「さ！！さすが、十四郎さん…
十四郎さんには何でもお見通しなんですね」


土「十四郎さんじゃなくても気付くわ！！
パリパリ音立てて食べてんだろ！
挙句、書類の上に出してんじゃねーか！！
皿代わりにすんなっつったろ！！」


「安心してください、十四郎さん。
m&msは紙の上では溶けねぇっつったろ」


土「カラフルにならなくて良かったねぇじゃねーだろ！
ウィンクしてんじゃねーよ！腹立つ！仕事中だろうが！」


「うるせぇこって…、こう寒くなっちゃ
仕事へのやる気もなくなりまさぁ」


土「何で、総悟風？余計腹立つからやめろ。
確かに、今朝は随分冷え込んだな…」


「でしょ、だか………う、」



仕事もせず、チョコ塗れで
ぐるりと膝掛けで身体を包み込む、A。
丸くなった、その姿をもっと丸め込む。



土「あ？大丈夫か？さすがに食い過ぎたか？」


「…ですかね？あれ、でも
まだこれ、一袋…目…、」


土「あ？」


「………おっと」


土「………おっと」


「十四郎さん、
あれ、…来てません」


土「あれ、…まだ使用期限過ぎてねぇかな」


「あります？」


土「あります」


「…十四郎さん？」


土「ん？」


「……何でニヤけてるの？」


土「いや、これ買った時のこと思い出した…。
あん時は情けねぇが余裕なかったなぁってよ」


「…今は？」



十四郎さんは自身の引き出しから
小さな紙袋を出し、わたしの頭にぽんっと乗せた。
その顔はふたりの時だけに見せる、優しい笑顔。



土「余裕に決まってんだろ」


「…頼もしいっ」



なんとなく。なんとなくだけど、
これを使わなくても分かる気がする。



土「…あー、またうるせぇ奴らが
出しゃばって来そうだなぁ」


「だねぇ、皆に可愛がられるね。
親戚のおじちゃんがいっぱいだ」


土「おばちゃんもな」


「ひひっ、違えねっ」


土「おい。母親になるなら口の悪さに気ぃ付けろ。
うるせぇぞ、俺そういうのうるせぇぞ」


「うわー、十四郎さんめんどそー」


土「あと、あの銀髪とチャイナ娘と長髪と
ドSとゴリラと変態メス豚には近づけさせんな。
悪影響しか与えねぇぞ、奴ら」


「ははっ、違えねっ」



思い浮かべる人たちの喜ぶ笑顔が、
簡単に想像できた。

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