だって、わたしがいる【銀魂】11

白い鬼 : 土方 ページ44

むぎゅうぅっ…


土「いいか？今日だけだ」


桂「わひゃっひぇひふ(わかっている)」


土「幕府の上層部も警察庁長官もいる。
下手な動きして、バレでもしたら
式をぶち壊すことになる。肝に銘じろ」


桂「ふほんひゃ。
しょほしょほ、ほへやへへふへにゃいわぁ。
(無論だ。そろそろ、これやめてくれないか)」



式場にウェイターとして招き入れた、
変装をした桂の頬を掴み上げ、最後の念押しをする。



桂「こほん…ところでAは？」


土「あ？奥で用意してるよ」


桂「ふむ。しかし洋式だとはな。
黒い制服に見慣れているからか、
白い鬼は些か、違和感を感じる」


土「とっつぁんがAの
ウェディングドレス姿、見てぇんだと。
うっせ。俺だってそうだよ」


山「副長、準備終わりました！？
そろそろ、式場行く時間になります！」



走り去りながら、声を掛ける山崎。
立ち上がりながら、白いスーツ姿の自分を鏡に映す。
Aは眼を輝かせながら王子様みたい！
なんて言ってたが、やっぱり変か？



桂「……銀時たち、遅いな」


土「は？まだ来てねぇのか？」


桂「昨日、やけ酒浴びるよう飲んだからな」


土「……アホか、こんな日に」




ばたばたばたばたっっっ




神「間に合ったアル！！！」


新「っは、はぁはぁっ、何とかなりましたね！
あ！土方さん！桂さん！！！」


桂「新八くん、銀時はどうし、」


銀「……おえぇぇ、気持ち悪、
走るの、無理もう無理……」


土「おいぃぃ！お前何してんだ、
今日がどんな日か分かってんだろうなぁ！？」


銀「うっせぇぇな！！頭に響くからやめろ！」



活気ねぇ顔した万事屋の、いつもとは違ぇ装いに
先ほど、桂が言っていた違和感に納得した。
俺は盛大に溜息を吐き、その腕を引っ張る。



銀「うぇっ！おい、てめ、何すんの！
やめて！いきなり動かすのやめて！」


土「てめぇが遅刻してきたせいで、
クソみてぇな時間しか残されてねぇが」


銀「あぁ！？」


土「あの奥の部屋だ。
Aがいる。行って来い」


銀「…！！」


土「すぐ終わらせろよ」


銀「………ああ」



万事屋は一度、俺と眼を合わせると
動けねぇと言っていた身体を走らせた。



新「………土方さん…」


神「わたし、Aが
トシに惚れた理由、ちょっと
分かった気がするネ」


土「そりゃどーも。
…お前は行かねぇでいいのか？」


桂「ん？……ああ、いい。
今行ったら、一生恨まれる」


土「っは、違ぇねえ」

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