だって、わたしがいる【銀魂】11

ルビーグレープフルーツ ページ33

しゅっ、しゅぼっ
かたかたかた……



土「と、りあえず落ち着け」


「いや、落ち着かないといけないのあなた！
それ、煙草じゃないです！鉛筆です！
ああ！！鉛筆に火着けないで！？」


土「当たり前だろ！？
た、煙草なんてお前の前で吸えるかっ！」


「鉛筆なんてもっと吸えませんけどぉ！？」



肩で息をしていたが
漸く、気を確かに持った土方さん。
瞳孔は開いちゃってるけど。
眼は血走っちゃってるけど。



土「A…、あ、あれは？」


「あれ？」


土「ちゃ、ちゃんと来てるのか？」


「来て…？あ、ああ！
あー、わたし元々不順で
…………でもそうですね、
来てない、ですね」


土「…！！！？？」


「声になってませんよ！？」


土「おま、何でもっと早く言わねぇんだ！」


「えぇっ！？だから今言ったでしょ！？
不順なんですよ、だから遅れてるなぁくらいで。
それに避妊、ちゃんとしてもらってたし」


土「してたよ！してたけどな、
あれも100%ではねぇんだよ！」


「そうなんですか」


土「…と、とにかく煙草はやめねぇと」



ぐしゃっっ
ぽいっ



土「それと…おい！！」


「は、はいっ！？」


土「なんて格好してんだ！！
身体、冷えんだろ！？これ着とけ！」


「え、あ、はい！」



持っていた煙草をまとめて握り潰し、
躊躇なくゴミ箱へ捨てた土方さんは
普段通りの格好のわたしに
慌てて、羽織を着させた。



土「知らなかったとは言え、
花見の酒、飲んだか？」


「……す、少し」


土「今から、断酒だ」


「…え、ええ…」


土「吐き気はあるか？
グレープフルーツ、いるか？
無理して食べなくてもいいが
出来るだけ、身体にいいモノを
食べるように気をつけろよ、それと」


「ひ、土方さん！？」


土「なんだ、ルビーグレープフルーツの方がいいか？」


「いや、そうじゃなくて…
まだ、検査もしてないし
ルビーグレープフルーツの前に
検査薬…買って来ないと」


土「………なるほど。確かに」



ふぅ…やっとほんとに落ち着いてくれた。
明日の朝にでも薬局に行ってこ、



がたっ



土「じゃあ、買ってくる。
ここで待ってろ」


「今あぁっっ！？？」


土「あ？決まってんだろ。
善は急げだ。行ってくる」


「す、すみません…お願いします」


土「何謝ってんだ。
俺が行くなんて当たり前だ」



布団敷いておくな、と
わざわざ、横にさせてくれた
土方さんは颯爽と出て行った。



「何あれ…どんだけ、イケメンなのあの人」

カモフラージュ : 土方→←新たな旅の始まり : 土方

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す