だって、わたしがいる【銀魂】11

起きろ、たぬき : 土方 ページ23

「くしゅんっ」


土「平気か？」


「はいっ、日が暮れると
まだ冷えますね」


土「だな、これ着てろ。
そろそろお開きに…」




くしゃみをしたAに
上着を脱ぎ、かけてやっていると
文字通り、花見に来ている全員が
にやにやと俺たちを見ていた。




近「うぃ−っ、熱っぃねぇ、おふたりさん！
俺もお妙さんと猛スピードで
早く追い付かないとな！」


妙「一人で地獄の果てまで行ってろ」


沖「土方死ね土方死ね土方死ね土方死ね」


山「羨まし、」


神「羨ましいぞ！トシ！こんちくしょう！！
Aはわたしのモノアル！！
誰にも譲らないネ！！！」


新「どうしたの！？神楽ちゃん！！
大丈夫、Aさんなら
いつでも遊んでくれるよ！？」


土「ああ！ったく、うるせぇな！！
おらっ、そろそろ撤退すっぞ！
散らかしたモン、片付けろっ」


隊「あーい」


沖「土方死ね土方死ね土方死ね土方死ね」


新「あ、じゃあ、僕ゴミ集めますよ」


「わたしも手伝う！！」


神「新八！邪魔すんなヨ！
わたしがAとやるネ！！」


新「何急に独占欲溢れさせてるの！？
何ブルーっ！？？」



だらだらと片付けを始める、隊士たち。
明日に酒残した奴、切腹させんぞ、



土「………、」



片付けを始める中、
俺の横で未だに寝転がったままの万事屋。
その顔から眼を外し声を漏らす。



土「…いいかげん、起きろ。たぬき」


銀「……………、んだ。
気付いてて黙ってやがったのか？
おめでとうとでも言って欲しいわけ？
口が裂けてもお前には言わねぇぞ」


土「…っは、寝起きの割には
よく喋りやがる、たぬきだな。
…別に望んじゃいねぇが、
あいつは寝てたと思ってぞ。
後でまた報告しに行くんじゃねぇか？」


銀「そん時もひとりで寄越す訳？」


土「……さぁな」


銀「来なくていいって言っといてくれ。
俺の心臓抉り出したい訳じゃねぇならよ」



仰向けだった万事屋が
ごろん、と俺に背を向ける。
起きるつもりは更々ねぇらしい。



土「…俺はんな身分だ。
さっき、Aが言ってたように
何があっても俺が守り抜く、
そのつもりだが…………、もし、
もし、俺が、」


銀「お前はよぉ、」


土「…！」



万事屋は背を向けたまま、
俺の言葉を遮る。
銀色の髪がオレンジ色に染まり、
きらきらと揺れている。



銀「お前は、守りてぇもんの隣で
アホ面晒して、刀振ってりゃいいんだ。
それがさっき、Aが言ってた
お前らしさ、って奴だろ」

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