だって、わたしがいる【銀魂】11

人の振り見て我が振り直せ ページ19

ピーーーーー
ピーーーーー



「どう？少しはスッキリした？」


銀「aごmyenうぇっ、ぷsy」


「うんうん、わかった。
もう平気？横になる？
土方さんはどうですか？」


土「んnnnnnmmmm‥」


「吐いちゃった方が楽になると
思いますけどね…え？俺は天パとは違う？
ああ、はいはい。
じゃあ、ここに横になってください」


新「……Aさん、
よくふたりの言ってること分かりますね」



浴びるように酒飲み対決をした、
銀ちゃんと土方さん。
銀ちゃんは虹を作り、
土方さんは必死に耐えながらも
ぶっ倒れたところで介抱する。



「へ？ああ、うん。
酔いながらもちゃんと話してくれてるからね」


新「ちゃんと？え、どこが？」


神「んっとにこいつらはそっくりあるな。
Aにベタ惚れなとこも」



神楽ちゃんは並んで倒れ、蒼白している
ふたりの元に立ち、溜息を吐く。
いつもなら、声を揃えて似てねぇわ！！と
怒鳴り散らしていただろうに。
今はぴくりとも動かない。



「眠れるなら寝ちゃいなね。
その方が楽になるから」


近「はっははっ！！
毎年毎年、飽きねぇ奴らだな！」


沖「学習能力が低いところも
そっくりですねぇい」


新「いや、あんたらもな」



隊士たちは楽しそうにお酒を交わし、
寝転ぶふたりの元で
わたしは集まってきた皆の顔を見る。


おかしいな。
たった一年前の話だ。

一年前、わたしは一人
この桜の木の下を歩いていた。


初めて訪れた都で
女であることを棄て生きて来た自分を、
酷く、痛感したっけ。


それから、真選組に出逢った。


ああ、そうか。
あの面接時、どうしてか
土方さんに懐かしさを感じたのは
銀ちゃんと似てるからだったんだ。



皆に着いて行くのに必死で。

でも、必死に縋り付いて
また彼らに出逢うことが出来た。

その背を守れる程にはなれてないし
わたしが守ろうと足掻けば、
彼らもまた同じようにするのだろう。
それでも、少しでも
背を見つめるばっかりじゃなくて
隣に並べるようには、なれたかな。




山「しかし、このふたりの
仲の悪さは何なのでしょうね」



水を買ってきてくれた山崎さんに
ありがとう、と言いながら受け取る。



神「だから、似てる故に仲悪いネ。
自分を見てるようでイライラするアルよ」


新「人の振り見て我が振り直せ、
がふたりとも出来たらいいんですけどね」


沖「ほんっと、厄介な奴らに
付き纏われちまってんな、A」


「へ？」



皆がうんうん、と首を縦に振る。

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