検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:49,554 hit

なるんですよ ページ12

がら…
ぴしゃんっ



「お、お帰りなさい!土方さん」


土「ああ」



どさっ



「ど…どうでした?」


土「予想通りの言われようだ。
とっつぁんにも幕府側にも」


「…そうでしょうね」



夜。皆がもう寝静まった頃。
漸く、土方さんが
とっつぁんのところから戻って来た。
盛大な溜息と疲れ果てた顔を見れば
聞かずとも分かることだけれど、
これはまた、随分とお灸を据えられたようで。



土「それにもっと上は、春雨と繋がってると来た。
今回の一斉検挙もほとんど無駄になりそうだ」


「そんな…っ」


土「上がどう処分するかなんて
俺らには関係ねぇこった。
っはあぁ、しばらくは大人しくしてねぇとな。
特に総悟が主に総悟が」



もう一度、大きな溜息を吐きながら
ごろっと横になる土方さん。
寝煙草はダメですよ、と
口に咥えられたままの煙草を奪い消す。



土「つーか、寝てて良かったのによ」


「補佐が副長の帰宅待たず、
寝る訳ないでしょう」


土「お前も今日は疲れたろ。
もういいから、先に休め」


「…、、」



すっ…



土「お、おいっ!?」


「いいから」


土「…っ、何を、」


「よしよし」


土「…!?」



わたしは寝転ぶ、土方さんの元に座り直し
その頭を膝に乗せる。
土方さんは起き上がろうとしたが
ぐっとそれを阻止し
その艶やかな黒髪を撫でる。



「どうせ、関係ねぇって言いながら
悔しい思いを抱えてたり
怪我した隊士のこと考えて
もっと効率の良い連携を取れたんじゃないか、
もっと情報網を張り巡らせておけば良かったんじゃないか、
なんて、考えているのでしょう?」


土「…!?ふ、副長として
当然のこと、だろ…」


「当然、ですね。土方さんなら」


土「……何が言いてぇ」


「別に?文句なんてありませんよ。
そういう真面目で誰よりも優しい土方さんが、
わたしは好きなんです」


土「…っ!?なんだ、急に!!」


「好きですよ。好き、好き、大好き」


土「おい!!やめ、顔を覗き込むな!!」


「ふふふ…だからね、
そんな土方さんで居られるように
わたしがいるんですよ」


土「……あ?」



土方さんはわたしの膝枕の上で
赤くなる顔を背けながら、
手首で口元を隠し
どういう意味だ?と眉を上げ
眼を覗かせる。


こういう時の土方さんの眼は
いつになく、柔らかいのだ。


それを知ってるのが
わたしだけという事実がわたしは、
無性に嬉しいのだ。



「そんな土方さんを支えられる、
唯一になるんですよ」

戻りません→←それは大丈夫



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
123人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ともみ - もう余韻に浸りすぎてただの中毒です笑笑。作者様のセンスが輝いてますほんと。すきです。 (2019年3月6日 7時) (レス) id: 53269475bb (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - ともみさん» 隙あらば!!どハマり!!見応え…!わたしは今涙で前が見えません…感謝でいっぱいなのはわたしです、なんて嬉しいコメントをくださるのでしょうか!ありがとうございます涙 銀さんオチ、わたしも書きたくなってきました!! (2019年2月19日 0時) (レス) id: 8246142a47 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - 2日かけて隙あらば読んでどハマりしてました!最後に見応えのある面白い作品でした!出会えて感謝です!余韻に浸り、もう一回見ます!笑笑、私的にはぎんさんオチも見たかったです! (2019年2月12日 16時) (レス) id: 53269475bb (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 紺15さん» たくさんコメントしてくださり、嬉しいです!最後まで読んでいただき、ありがとうございましたっ!!おまけ程度でもまた少し書けたらなと考えてます。よかったら、また見てあげてください!! (2018年10月24日 11時) (レス) id: 3d5acb8dd8 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - なつさん» そんな風に言っていただけるなんて、ほんとに嬉しいです!!少しだけでもまた書けたらと考えています!! (2018年10月24日 11時) (レス) id: 3d5acb8dd8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美雨 | 作成日時:2018年10月3日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。