だって、わたしがいる【銀魂】11

それは大丈夫 ページ11

土「…っ、……っ！」


銀「ちょ、土方くん。
何本まとめて吸ってるわけ？
煙いんだけど。眼に沁みる
煙さなんだけどっ…！」


沖「仕方ねぇですぜ、旦那。
土方さんの気持ち、
今はうぜぇほど分かりまさぁ。
野郎とふたりで話させろだなんて、
あんたの女と来たら、どこまでお人好しなんでぃ」


銀「昔っから、あーだよ、あいつは」


土「え、今なんでお前答えた？
ここは俺の番じゃね？
なんで俺の女みたいな答え方してんの？」


銀「ああ…、あいつは
あの頃から何も変わってねぇや」


土「おい聞けやめろ。
芝居がかったセリフも顔もやめろ腹立つ」






威「離れたところにいるって…。
外野がうるさいなぁ。
ねえ、A。ほんとに俺と来ないの？」


「うん、ごめん。神威さん」


威「あれ、俺今ひょっとして
フラれた？経験ないから分からないんだけど」


「…ごめん」



神威さんは、はよ終わらせろと
艦隊の入り口で睨みを効かせる阿伏兎さんを待たせて
わたしとふたり、向かい合っている。



威「あいつだろ？黒髪の。
なんであいつ？まだ侍の方が
一緒にいて、面白そうだけどね」


「…うん、そうかもしれない」


威「つまらない方、選んだの？
意味がわからないや」


「…ううん、それは違うかな。
あの人でいられるよう、
支えになりたいから選んだの、かな」



するすると喉から出て来た答えを
そのまま吐き出してしまった。
きっと、もっと意味がわからないと
あのきょとん顔をしているであろう、
神威さんの顔を慌てて見上げる。



「…っ？」


威「そっか」



わたしの予想を裏切り、
神威さんは妙に納得した顔で
うんうんと頷いて見せた。



威「じゃあ、Aも
あいつとなら自分で居られるってことか」


「…！！」


威「何でもかんでも背負って、
壊れねぇって顔して来たがどうやら、
寄り掛かる場所を見つけたらしい」


「…え」


威「晋助が言ってたんだよ。
なんでAを奪って来なかったんだって
俺が問い質したらさ」


「…晋助、が」


威「今のAの言葉で分かった気がする。
意識しないにしろ、自分自身でいることが
普通はどうやら、難しいんでしょ？
俺にはちっとも分からないけどさ」


「ふふ、そうでしょうね」


威「ま、あいつが頼りなくなった時には
宇宙においでよ。待ってるからさ」


「…それは大丈夫です」


威「なんで？」


「頼りなくなったりしないです、あの人は。
だって、わたしがいますから」


威「…そっか」

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