立ち入り禁止

書くの禁止 5 ページ22

「分かったから、話しを続けて」

「分かったよ…帰り道水溜りに映った自分の姿を見て気付いたんだ

‘私のノートがない’って、彼女はいつもノートを抱きかかえていた為自分の手にいつもあったノートを大学の備品室に置いてきたことを思い出した。

急いで来た道を戻り近道を走った。

でも、こんな焦っている時よくこのことわざを使うよな？

〔急がば回れ〕…急いで通った近道は地盤が緩く土砂崩れが多い【立ち入り禁止】とされていた場所だったんだ…

もう、言わなくても分かると思うけど土砂崩れの巻き添えをくらい亡くなったんだ

今だ遺体は発見されていないみたいだけど」

禁止は色んな意味を持つ…教授も言ってたな

興味本位で危険な事をして死んでしまうなんて嫌だ

「もしかして、このノートって…」

「彼女…Aさんの大切な日記帳だ」

その、事故が起きて備品室に彼女の霊がノートを探しに来るという噂が広まった為空き教室になり【立ち入り禁止】区域になったんだ…

でも、不思議な事に空き教室になる前皆で日記帳を探したが見つけることは出来なかったそうだ

「ノートがお前に何かを伝えたかったのかもな」

哲はそう言い残して帰って行った。


「そんなことがあった大切なノートか…」

パラパラとページをめくってみた。


でも、最後のページは開けない

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