１５ ページ15
「で、説明して欲しいんだけど？元々昼休みに二人で音楽室入る所見たから呼び出したけど、終礼の後に清水さんに言われたんだよねー『千夏ちゃんに近づかないで』って。」
そう言いながら、片方の先輩が片手を腰にあて、イライラと足を動かしている。
「先輩に近づく度に呼び出されてたらきり無いんですが。ていうか、自分は莉沙先輩と仲良くなれないからって嫉妬ですか？普通に先輩として軽蔑しますよ？」
「ちょっ！何こいつ…言いたい放題にも程があるんじゃない!?」
「先輩方に言われたくありませんが。あれこれ言いがかりつけてきたのはどちらですか？大体、私が誰と仲良くしようと私の勝手じゃないですか！」
言った！私頑張った！心の中で拍手喝采してるよ今！！
「テメエ調子乗ってんじゃねえぞ！」
上から平手打ちが飛んできて、思わず眼を瞑った。
…………はずだった。
眼を開けて視界に入ってきたのは
「清水さん…」
莉沙先輩が、平手打ちしてきた先輩の腕を掴んでいた。掴んだまま静かに言いはなった。
「そこまでにして。言ったよね。千夏ちゃんに近づかないでって。」
莉沙先輩の表情は、まるで氷の様に冷たくて、敵を捕らえた蛇の様に、突き刺すような視線を二人に浴びせていた。
「清水さん…ふっ…ひっく…うっ！」
「帰ろ。ほら、泣かないの…」
二人は泣きながら帰って行った。
「大丈夫だった？」
真っ直ぐ私を見つめて、しかし冷たさなど微塵も無い穏やかな表情で言った。
「先輩…どうして此処に？」
「あぁ、やっぱり心配だったから様子見に来たの。」
「ありがとうございました。。でも…あのお二人も気の毒な気もします…元々あの二人も莉沙先輩に憧れて、仲良くなりたいって思ってたんでしょうから。」
でも先輩は表情一つ変えずに厳かに、
「いくら私を慕ってくれていたとしても…その為に他の人を傷つけるのは違うよ。」
「………」
なんか、嫌な目に合わされた人だけど、莉沙先輩と仲良くしたい気持ちは私と同じだったんだしなぁ…ちょっと恨めない所もあるかなー…
「帰ろっか？」
「あ、はい。ご一緒させていただきます！」
これでまた、先輩と仲良く出来そう！
にしても、先輩のあんなに怖い顔初めて見たな…
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらももち | 作成日時：2016年11月2日 21時
