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「千夏ちゃんおっはよー!」「おはよ!千夏ー」


登校中、駅から歩いていると、莉沙先輩に上から肩をポンと叩かれた。隣に真梨もいた。

「あ…おはようございます。」
つい、先輩への挨拶が素っ気なくなってしまうのも、悲しくも登校時間が鉢合わせで、昨日の二人が近くを歩いているのだ。莉沙先輩が近寄って来たのに気づき、今も私を横目でじっと見ている。

「すみません、私、今朝先生との約束があるので先行きますね。真梨ごめん、後でね!」

走ってさっさと学校に行った。
もちろん先生との約束なんて無いから、課題を提出してから、図書室で時間を潰す事にした。私を見張ってるのか、あの二人も勉強をしながら近くの机に座っている。まったく、暇だよね。







「あ、千夏ちゃん此処にいた!」
小説を読んでいると、突然莉沙先輩が図書室に入ってきた。

「どうしたんですか?」
「ねえ…真梨に聞いたけど、昨日から元気ないんだって?あと、関係あるのか分からないけど…私の事避けてる?何かあった?」

「…今は話せません。すみません、暫く…私に話しかけないでください。お願いします…!」

頭を下げながら言った。

「千夏ちゃん…?」

「あ、清水さん!おはよう!」


あの二人が近寄ってきて莉沙先輩を取り囲んだ。

「清水さん、やっぱ今日もカッコいいー!!」
「ねえ清水さん、最近おすすめの本ってあるの?教えて〜!」

困った様子の莉沙先輩に一礼して、教室に戻った。






「真梨」

教室に入ると、真梨を呼んで問いただした。
「ねえ、莉沙先輩に私の事相談した?」

「うん…余計なお世話かと思ったんだけど…千夏の事が心配で…」

はあ…
いい加減イライラしてきた。

「あのさあ、心配してくれるのはありがたいんだけどさ、そこまでされると逆に迷惑なの!」

「あ…… ごめんね…」

か細い声で謝る真梨。言い過ぎたかな…

「本当に何かあった時は相談するからさ…昨日は心配かけてごめんね?」
「うん…分かった。私こそ余計な事してごめんね。」

「うん。」



「千夏ちゃん。」
え、莉沙先輩…

気がついたら後ろに莉沙先輩がいた。
「ここなら二人だけで話せるから。」
そう言ってメモを渡してきた。
"12時40分。音楽練習室2"

「千夏良かったじゃん!莉沙先輩と二人っきりでお話!?」


「あはは…そだね…」


絶対そんな軽いノリじゃないと思う。

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作者名:さくらももち | 作成日時:2016年11月2日 21時

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