憧れ、からの大好き (ページ2)

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「ねえ千夏、部活もう決めた？」

転校して半月、やっと皆とも打ち解けてきた頃、真梨が持ちかけてきた話は、部活の仮入部についてだった。
「どうしよ…真梨は合唱部だよね？私は楽譜読めないし歌も下手だから合唱はなぁ…」

真梨が以前この高校の部活について色々教えてくれたが、運動は苦手だし、文化系でも興味の出るものはなかった。真梨は中学でも合唱部に所属していたらしく、高校の部活も合唱部と速攻決めたらしい。

唯一興味を持ったのは、
「これ、かな…」

「読書同好会…？千夏、本好きなの？」

自分で言うのも何だが、私はかなりの読書家だと自負している。中学での読書量ランキングでも一位を獲得したし、自分の部屋の本棚には小説が並んでいる。もちろん漫画も沢山あるが。

部活のパンフレットの一番隅に印刷された、『読書同好会』の文字の下には、活動の曜日や活動内容が書いてあった。

「読書は大好きだし、好きな本について話せるのって最高じゃない？」

「そっかそっか！良いんじゃない!?良かったじゃん、千夏が好きなの見つかって！」
満面の笑みで真梨は言った。

「うん、明日活動日だから、仮入部行ってみるよ。」