この手を離すな【銀魂】4

スペック : 銀時 ページ9

新「平太さん、帰る時は
笑顔で挨拶してくれてましたが
四辻の名前を出した途端
眼に分かる程、怯えてましたね」



また遊びに来いヨと
神楽に懐かれながら
平太が帰った後、新八が眉を下げる。



銀「無理もねえ。
それだけのことをされた上に
あいつは誰より、
四辻を家族のように思ってた筈だ。
裏切られたっつう事実も、
自分の中にまだ、四辻を慕う気持ちが
残ってるっつう事実も、
あいつはちゃんと理解してんだろ」


神「裏切られたのに、まだ
四辻を大事に思うアルか？」


銀「そのくれぇ、濃い時間をかけて
信頼させられたんだろ」


新「そうだとすると、
本当に恐ろしい男ですよ。四辻は。
平太さんは、自分のこともですけど
Aさんのことも、本気で心配してるから
銀さんに頼りに来たんですよ」


銀「…わぁってるよ」



今、Aちゃんはやっと
当たり前を手に入れ始めた。
ここに奴の名前が出れば、
平太同様、……いや、
土方くんの話だとそれ以上に
Aちゃんを壊すだろう。

彼女は、まだ自身の価値を
自分では見出せてねえってんのに。



神「でもなんで、平太は
銀ちゃんのとこに来たアルか？
マヨのとこに行けばいいアル」


新「…確かに」


銀「確かにじゃねえよ！
なんで俺んとこじゃダメなんだよ！
それに、見廻組と繋がってんだ。
あいつらにも話は行ってんだろ」


新「あ、そっか」


銀「しかし、神楽。
やけに平太に懐いてたな」


神「なんか落ち着いてて、
お兄ちゃんって感じがしたネ！」


銀「お前の兄ちゃん、落ち着いてねえじゃん」


神「だからアル！背が高くて、優しい
落ち着いてる、お兄ちゃん！
少女漫画的に理想アル！」


銀「まあ、確かに
少女漫画に出てきそうなスペックだな」


新「すらっと背が高くて、
切り揃えられた黒髪もさらっさらで
あの優しい爽やかな顔は
きっと見廻組隊士、No.1の
人気なんじゃないですか！」


銀「ぱっつぁんもすっかりファンだな」


新「はい！銀魂男子にはない、
爽やかさと誠実さですよ！
きっと、女性は放っておかないでしょうね。
…あれ、でも平太さんってもしかして、」


神「何ネ？」


新「あ、いや、仕えてただけで
それは違う？のかな？？」


銀「…何だよ、言ってみろよ」


新「いや、だから勘違いかなって？
優しくて誠実だから、
あんなに必死にお願いして…
あ、でも！事件の時、
あんな目に合ったのに
助けようとしたってことは…やっぱり…」


銀「は？……はあぁ！！？」

抜け駆け無し : 土方→←冷酷非情 : 銀時

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