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名前 ページ22

気付いていない訳じゃない。


そう想ってた。


初めから、どこか特別で
わたしの中にずっと居たから。
誰かを望んだことなど
一度だって、なかったわたしが
次に逢えるのはいつだろうだなんて
想いを馳せるような真似をしてしまったから。


友達、


そう言われていたから
そうなんだと想ってた。



もし、総悟さんや神威さんのように
あんな風に笑い合える相手を友達と言うのなら



銀時さんは、違う。



落ち着くし、楽しいし
とても話しやすいけど
今日、神威さんと話している時とは
明らかに何かが違った。






屯所に戻ってから、心配させてしまっていた
近藤さんと終さんに謝罪をし
お風呂を済ませ、布団に寝転び
早3時間。ずっとそんなことを考えている。


何が違うのだろう。分からない。
でも、簡単に友達とはもう呼べそうにない。
親友?銀時さんはそんな風にも呼んでくれた。


わたしに友達がいた記憶も、
ましてや親友がいた記憶もない。
比べようがない。情報が足りない。
引っ掛かるのに解口が見当たらない。

眼を瞑ってみるが、もちろん眠れやしない。

きらきら揺れる、銀髪を想い出す。
いつものように笑っている姿も、
わたしを救ってくれた、勇ましい姿も、
あどけなく眠っていた、子どものような姿も
どれを想い出しても
彼が作る空気感はきっと、
誰も彼をも引寄せる引力があるように想う。
故に、町の人たちは彼を囲うのだろう。
あんなに仲の悪そうにしている、土方さんだって、



「……土方さんは、わたしの…」



言葉にして、躓いた。



上司、



に違いないのだけど、


さっき、握られていた指が
想い出すだけで熱を帯びる。
それはわたしの熱なのか、
土方さんの熱を思い出しているのか、


暗闇の中、天井に掲げる。
いつか見た、痩せ細って
指輪が不恰好になっていた
見窄らしさは消え、
指輪も爪紅もないけれど
今の手の方が好きだな、と思えた。



まるで、



白い紙に絵具を垂らしたような、
じんわりじんわり
滲んで、白を染め上げていく。




垂らされた色は何色だろう。
白い紙のわたしをどこまで染めるだろう。
それは、どんな感情なのだろう。
初めて経験することに、
メタファーを用いても
頭が、心が整理できない。


ああ、でも
わたしは知りたい。


わたしの中に生まれた色の名前を。
わたしの中にいる、感情の名前を。

睨めっこ→←何かに気付いた : 土方



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美雨(プロフ) - 宙さん» あわわ…!なんと嬉しいコメント!ありがとうございます!細かく考えているのに忘れたりと矛盾箇所も出てたりしますが最後まで頑張ります!ありがとうございます!! (2019年9月14日 0時) (レス) id: ad41125a5f (このIDを非表示/違反報告)
- ほんとに、ほんとに、面白いです。色々なことを細かく考えて書いているんだろうなぁって思ってすごく尊敬しています。これからも頑張ってください! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 2dea61ff35 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 狗冰さん» わああ!わざわざ、ありがとうございます!文才がないのに苦しみながらも頑張ってます汗 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!ありがとうございます!! (2019年9月4日 20時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - めっさ面白いです!楽しく読んで気がついたらもう4に!?小説を書く文才をわっちにも分けて欲しいでありんす。この作品を最後まで応援しているので、更新頑張ってください! (2019年9月3日 23時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 光華さん» はわわわ…!コメントをいただけるとほんとに恐縮してしまいます…でも、頑張らないとー!とやる気が上がります!楽しんでいただけるよう、最後まで頑張ります!!ありがとうございます泣 (2019年8月13日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年8月4日 0時

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