神経 : 土方 ページ15
土「は?」
終[だから、なんで
Aちゃんと
一緒じゃないんですか?]
張込んでいる隊士への差し入れやら、
襲って来た浪士どもの検挙やら
結果、戻るのが夜になると
玄関先で逢った終に早々に問いただされる。
土「なんでも何も
一緒になんか出てねぇよ。
あいつはこの時間だ。
仕事終えて、部屋にいんだろ」
俺が靴を脱ぎながら、
終の横を通り抜けようとすると
終は俺の前にノートを差し出した。
終[さっき、一人で屯所を出て行ったんです!
嬉しそうだったので
てっきり、副長が呼んだのかと!
2、30分は経ってますが戻ってません!]
土「なんだとっ!?何も聞いてねぇのか!?」
終[はい、俺は何も…]
近「おう、トシ。遅かったな!
お疲れ様!!それでどうだっ、」
土「近藤さん!!
Aが外出する報告は受けたか!?」
近「え?Aちゃん?
いや、受けてねぇけど…」
土「…何やってんだ、あいつ…!」
がたんっっ
近「ちょ、え!?トシ!??
そんなに急いでどこに…っ!!
おい!終!何があったんだ、トシの奴!」
終[Aちゃんがひとりで外出したみたいで]
近「え、それでトシ、あんなに急いで…?
買い物にでも行ったんじゃねぇのか?」
終[俺もそう思いますが、
一応、Aちゃんは保護下ですし…」
近「まぁ、そうだな…。
報告を受けてる奴がいねぇのは問題だな。
でもあんまり窮屈にしてると、
Aちゃんも息が詰まっちまうだろう。
Aちゃんはあくまで、被害者だ。
…まぁ、トシの
過保護になる気持ちもわかるけどな」
終[…そうですね]
だだだっ…!
土「はぁ、はあっ」
走り回ってみるが、
橋の上にもコンビニにも
Aの姿はなく。
今日が今日だ。
何か、あったんじゃねえかと
悪ぃ考えが頭を過る。
土「…ったく、どこ行きやがった…!」
細い路地や裏通りを覗きながら、
店が並ぶ道で
ウザってぇ酔っ払いを
払いのけながら、駆け回る。
身体も眼も耳も、
疲れ切っている筈なのに
神経は研ぎ澄まされ
その姿を、必死になって…
頼む。
頼むから、
何も
あいつに何も、
起こらねぇでくれ…!
「……っじかたさ、…!」
土「っ!??」
微かに聞こえたのは、
俺の名前を呼ぶ声で。
「…じかたさんっ!助けてくださ…!」
その声と同時に、
俺は正気を失ったように
刀に手を置いて、
声の元へと駆け出した。
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美雨(プロフ) - 宙さん» あわわ…!なんと嬉しいコメント!ありがとうございます!細かく考えているのに忘れたりと矛盾箇所も出てたりしますが最後まで頑張ります!ありがとうございます!! (2019年9月14日 0時) (レス) id: ad41125a5f (このIDを非表示/違反報告)
宙 - ほんとに、ほんとに、面白いです。色々なことを細かく考えて書いているんだろうなぁって思ってすごく尊敬しています。これからも頑張ってください! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 2dea61ff35 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 狗冰さん» わああ!わざわざ、ありがとうございます!文才がないのに苦しみながらも頑張ってます汗 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!ありがとうございます!! (2019年9月4日 20時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - めっさ面白いです!楽しく読んで気がついたらもう4に!?小説を書く文才をわっちにも分けて欲しいでありんす。この作品を最後まで応援しているので、更新頑張ってください! (2019年9月3日 23時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 光華さん» はわわわ…!コメントをいただけるとほんとに恐縮してしまいます…でも、頑張らないとー!とやる気が上がります!楽しんでいただけるよう、最後まで頑張ります!!ありがとうございます泣 (2019年8月13日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年8月4日 0時