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気がする : 土方 ページ15

「おかわり、お待たせしました!」


隊「ありがとう!Aちゃん!
ま、またおかわりするからね!!」


おば「あんたはもうおしまいだよ!
ったく、何杯食べるつもりだよ!」


隊「恋が俺に何杯も
食べさせちゃうんだよ、おばちゃん!」



見廻りに出る前にふらりと寄った食堂は
今日も今日とて、うっせぇ奴らが入り浸って。
あれから数日経ったAは
以前にも増して、よく笑うようになって。



沖「何こんなとこで覗きしてんで?」


土「誰が覗きだ。
見廻り行くついでに
気抜きまくってる奴らに
切腹を言い渡しに来たんだよ」


沖「土方さんは夕飯
食べないんで?」


土「だから、今から見廻りだっつってんだろ」


沖「じゃあ、俺はAの
手料理を食べるとしますかねぃ」


土「…どいつもこいつも、
外食一切しなくなったな…」



食堂の入り口で溜息を吐いていると、
総悟が俺の顔を覗き込み
にやりとその悪魔の口角を上げる。



土「………んだよ」


沖「自分以外の奴らと
仲良くされるのが気に入らないんで?」


土「は、はあぁ?……はあああぁ??
な、なんだそれ?アホかガキかよ俺は。
はぁ?意味が全く分からねぇ。
何言っちゃってんの?怖いんだけど。
お前の妄想が酷くて怖いんだけど」


沖「動揺しまくってる、
あんたが怖ぇでさぁ」


土「ど、動揺?動揺って何?何それ!?え!?」


沖「ああ、もうめんでぇんで
さっさと見廻り行ってくだせぇ。
それで2度と戻って来ないでくだせぇ」



うざったそうに掌をひらひらとしながら、
食堂に入ってAに声を掛ける総悟。
誤解を何とか解こうと
その首根っこを掴まえてやりたがったが
どうせ、また煙たがれるだけだと
ふん、と鼻を鳴らして食堂を後にする。





夜とは言えど、煌々と
ネオンが照らし出す、かぶき町は
溜息までもがどこか色付き
自分の中で総悟の言葉に反応した何かを
慌てて、煙草に火を点けて誤魔化す。



土「くだらねぇこと言いやがって…」



その何かに名前を付けるとしたら、
一体何だって言うんだ。





独占欲、所有欲、
それとも同情、憐情、





どれも違ぇ気がする。
どれもそぐわない気がする。





煙を巻き躍らせながら、
顔を上げるその先には
着飾った遊女が
店先で男の腕に巻きつき、
身を寄せて微笑んでいる。

白い煙が滲み、
どこか映像のように見えるそれに
反応した何かが、焦燥し出す。





興味、





今はまだ、
そんな風にしか呼べねえ気がする。

恥ずかしさ→←接触禁止 : 銀時



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美雨(プロフ) - シリアス系の人さん» 更新が滞っていたのにコメントいただけて、嬉しいです!ありがとうございます!ゆっくりにはなってしまいますが頑張ります!! (2019年6月23日 22時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
シリアス系の人 - いつも見てます!更新頑張ってください! (2019年6月23日 19時) (レス) id: 3f134b9658 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年5月19日 23時

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