検索窓
今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:82,947 hit

誰より優しい ページ49

「お優しいんですね、終さん」


終「!?」



終さんはまた、ぶんぶんと首を横に振り
あたふたとして見せる。
可愛らしい人だなと赤くなった、横顔を見つめる。



「隊士の皆さんはいつも
命をかけてらっしゃるんですよね。
沖田さんなんて、わたしより歳下だろうに」


終[総悟くんは一番隊隊長]


「沖田さんも!?
皆さん、すごい方たちなんですね。
かぶき町では有名でファンもいると伺いました。
わたしはずっと、吉原にいたもので
存じ上げなくて…」


終[総悟くんと副長は特にたくさんいる]


「へえ…ああ、隊長さんだと目立つからですかね?
じゃあ、終さんも多いんじゃないですか?」


終[…俺はあまり表立って出ない]


「出たらすぐ人気出ちゃいそうですね。
真選組に、こんなに優しい方がいるなんて知ったら
かぶき町の女の子は大騒ぎですよ」


終「!?…」



褒められることに慣れてないのか、
終さんは何も書かず、俯いて耳まで染めている。



「わたしも…たくさん優しい方に
守っていただいて、ここに居させてもらってます」


終「…」



またノートにペンを走らせる、終さん。
差し出す、それには
今一番求めていた名前が書かれていた。



終[平太くんは大丈夫だよ]


「…!終さん、平太のことご存知なんですか!?
ずっとその、聞きたくてでも
誰に聞いたらいいのか…」


終[大丈夫。副長がやってくれてるから]


「…ひ、土方さん、が?」



土方さんはわたしの面倒も見て、
平太のことまで…?
わたしの顔を見て、慮ってくれたのか
終さんはもう一度、手を動かす。



終[副長は、誰より優しい]


「…!」



眼を合わせることも躊躇っていた終さんは、
口元に優しい笑みを浮かべて
真っ直ぐにわたしを見て、伝えてくれた。
わたしはその言葉に、
その微笑みに、
全身で安堵する。



「…その通りですね」


終[不器用なところもあるけど]


「ふふ、それもその通りですね」


終[明日、聞いてみるといい]


「…そうします!」


終[…お茶、ご馳走さま]


「ああ、いえ!すみません。
眠らなきゃいけないのに付き合わせて」


終[は、話せてよかった…から]


「わたしもです!仲良くしてもらえて嬉しいです!」


終[!?お、おやすみなさい…。
ちゃんと寝るんだよ]


「ええ。終さんも。おやすみさい」



終さんはぺこっと頭を下げて、
自室に戻って行った。
どうやら、真選組は噂に聞いていたより
優しい人が多いみたいだ。

先陣切って : 土方→←もしゃもしゃ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
108人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方十四郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。