なんでだろうな : 銀時 ページ46
銀「……え?」
風に乗って届いた、
小さな囁き声は確かに
俺の名を含んでいたようで
「あ!……いえ、その…。
銀時さんが…あの時、
助けてくれなかったら
今、わたしはここにいません。
銀時さんと仲の良い姿を
見ていなかったら
土方さんの提案を素直に
受けていなかったかもしれません。
…わたしには出来ることが
極端に少ないものですから」
俯きながら、自嘲的に
唇を歪めて見せるAちゃん。
なんでだろうな。
そんな姿でさえ、色っぽくなっちまうのは。
銀「…税金泥棒達だけどよ、
四辻のことはしっかりやる筈だし
確かにここにいれば、Aちゃんの
身の安全も保証される。
吉原よりも俺も会いに来やすいしな」
ししし、と笑って見せると
歪めた唇を柔らかく上げて見せた。
色っぽかったけどよ、
ああ、やっぱり、Aちゃんには
この笑顔が一番似合うな。
「銀時さんは温かい人ですね」
銀「そ、そう?
あ、あんまり言われねぇけど…!」
「皆、もう十分分かってるんですよ。
…わたしがあまり、
縁がなかったからなのかもしれませんが」
銀「………」
どうして、彼女は
どこに居ても
銀「…きっと、これから
たっくさん縁があるよ」
「…え?」
銀「ここの奴らはアホみてぇに
お互いを信じ合ってかんな。
まあ、そうじゃなきゃ
戦場で背中なんか任せられねぇ。
どろ臭いくされ縁ってやつがあんのよ。
Aちゃんも巻き込まれっことになると思うし、
俺たち、万事屋ともさ思う存分、
巻き込まれてもらうかんね」
「………はいっ…」
あ、やべ。
今力入れなかったら
完全に抱き締めてた。
触れたくねぇ訳じゃねえ。
むしろ、触れてぇ。超触れてぇ。
でも、
「……また、パフェ、
食べに行きましょう」
多分、彼女の中で作られてる、
俺というカテゴライズを
絶対に、壊したくねぇ。
それに、
銀「もちろん!どこでも案内するよ」
「…お願いしますっ!」
彼女に
商品としての価値など
もう棄て去って欲しい。
忘れちまって欲しい。
簡単なことじゃないのは
分かってるが
どこにいても、
誰といても、
鳥籠の中にいるみてぇな
彼女を変えてやりたい。
そこに、金銭はもちろん
温度の授受も
必要ないんだってことを
彼女が知るまでは
ぽんっ
「…!」
銀「冷えっから、もう入りな。
また逢いに来るから無理しないように」
「…待ってますね」
今はまだ、
頭を撫でるだけで
我慢しておこうか。
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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時