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確信した ページ21

「…っあ、」





いつも暗い。





吉原に居た時から、そうだ。
あの車でも、ここに来てからも。



表情さへ、眼を凝らしても
ぼんやりとしか見得ない。
吉原では明るい中での行為を
好む男性が多かったのに、
四辻さまはいつも暗闇の中、行う。
前に一度、何故なのか聞いたら
他の感覚を研ぎ覚ます為だと
ふざけたように笑っていたけれど、




ほんとの理由は
一体、何だろう。




がしゃんっ…




でも、それも
今はどうでもいい。


わたしに与えられた部屋は
一日中、電気を必要とするし
わたしの部屋に立ち入れる人は
四辻さまだけになったようだし
わたし自身、




がしゃんっ…






もう、この暗がりから
出られないのだし。






四「…何を考えている」


「……何も、」


四「そうか。…はぁ、
やはり、何日も離れるのは良くないな」



四辻さまはそう言いながら、
終わった行為の余韻を指に残し
わたしの髪を撫で、
重なっていた身体を並べた。



「…早々に、戻って来てくださいました」


四「そうだな、ああ、そうだ。
戻って来た。お前がここを出たと
連絡があったからなぁ」


「……勝手なことをして、
申し訳ありませんでした」


四「いや、とんでもない。
いずれはこうするつもりで居たんだ。
それが早まっただけ。むしろ、良かったよ」


「…いずれは?…良かった?」



わたしは腕を伸ばし、
見えない暗闇の中、服を探した。



四「ああ、そうだよ?
Aをこの屋敷から
出さないようにする為にな」


「…それはどういう、」




がしゃんっ…




四辻さまがもう一度、わたしの上に乗り
手首を掴み上げながら
わたしの顔に顔を寄せる。
そうして、漸く
薄っすらと四辻さまの眼が見得た。

数度、眼にして
しまった、とわたしに思わせる、
あの深さを感じる眼が
わたしを見下ろしていた。



四「気付かないとでも思ったか?」


「…え?」


四「幕府の犬が私の周りを
ウロついていたのは知ってる」


「?!」


四「お前が出張先を聞いて来たおかげで、
それを確信した。
残念ながら、綻びなど私にはないが
面倒毎は引き摺っていたんでな」


「…っ、だから
わたしの身請けを急いだのですか!?」




がしゃんっ…




四「ほんとにそれが理由だとでも?」


「…違うのですか?」


四「…門の前をいつもウロついている銀髪」


「…えっ?!」


四「門番に聞いた。
あの夜、逢っていたそうだな」


「…彼は、友人です」


四「友人?お前に?」

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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時

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